皮膚や粘膜にできる斑点などの変化を発疹といいます。発疹にもいろいろあります。赤い斑点で皮膚から高まっていないのは紅斑、皮膚面からすこし高まったものを丘疹、その大きなものを結節、透明な液が皮膚にたまったものを水疱、黄色のうみをもつものを膿疱、水疱や膿疱が破れ、内液が皮膚片やほこりとまみれて固まったものを痂皮
[かひ]、皮膚面からはがれ落ちる角質の破片を鱗屑または落屑、表皮が破れ鮮紅色のただれた皮膚面がむきだしになった状態を糜爛
[びらん]、真皮、皮下組織にまで及ぶ皮膚の欠損が潰瘍です。
高い熱とともに発疹の出る場合は伝染性の病気が多く考えられ、はしか(麻疹)、猩紅熱、発疹チフス、痘瘡、腸チフス、膠原病も考えられます。
はしかの発疹は、いったん下がった熱がふたたび発熱するときにできます。猩紅熱では全身に粟粒大の赤い発疹が出、舌は真紅になります。
熱が軽いか出なくて発疹のできる場合は、水ぼうそう、風疹、種痘疹、小児ストロフルス、湿疹、じんましん、薬疹、梅毒疹などが考えられます。水ぼうそうでは紅斑が水疱となり、黒い痂皮に変わります。風疹では全身に発疹ができます。じんましんは強いかゆみを伴います。
水ぶくれのできるものに、水ぼうそう、水疱症、膿痂疹、ヘルペスがあります。
皮膚のかたさが変化する
皮膚が厚くなるもの(角化)には、うおのめ、たこ、とりはだ(毛孔性苔癬)、さめはだ、乾癬、角化症などがあります。栄養障害では弾力がなくなり、年をとると、乾燥したり、しわができます。手足から全身の皮膚がかたくなってツルツルした感じになるのは強皮症です。