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毛・爪の異常

 ここでは「皮膚の異常」で説明する病気はふれません。全身性の病気が原因で起こる毛と爪の異常に限り述べます。

 毛の異常

 脱毛症のうち、ホルモン(内分泌)の異常によって毛が薄くなったり、色が変わったり、切れたりすることがよくあります。
 バセドー病や甲状腺機能低下症(粘液水腫)、シモンズ病、小人症、丹毒、急性の感染症の場合です。甲状腺機能低下症では、まゆの外側3分の1が脱毛し、ほかにむくみなどが特徴的です。出産のときに大出血を起こしてなるシーハン症候群では無気力、低血圧が主症状ですが、わき毛や陰毛がなくなるのが特徴です。出産とは関係のないシモンズ病では脱毛がみられますが、病変が下垂体から視床下部まで及ぶと、からだがやせてきます。
 丹毒は連鎖球菌の感染によるもので、皮膚に傷があるところに起こってきます。発熱、倦怠感といった全身症状とともに、病変部の皮膚は赤く、かたくなり、圧痛があり、その境界は明瞭です。
 逆に、毛が多く、濃く、かたくなったりすることがあります。主として、副腎の病気でみられます。クッシング症候群では、顔は赤く満月様で、肩や腹は肥満し、にきびが顔や背中にたくさん出ます。下腿や顔、背中が毛深くなり、腹部や上肢、下肢の付け根あたりに皮膚の裂けた線条ができ、下肢、上肢に皮下出血がよく起こります。
 また糖尿病や高血圧もみられます。副腎性器症候群は、子どもにみられるまれな病気で、副腎でつくられる男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌過剰のために、性徴異常、特に男性化の症状がみられます。男子では性早熟、女子では陰核の肥大や多毛症などがみられます。
 白髪は、高齢になると生理的にもふえてきますが、遺伝的に若しらがになる人もあり、消耗性の大病や精神的労苦のあと急にふえることもあります。

 爪の異常

 貧血のとき、十二指腸虫感染のときに、スプーン形に爪が反りかえることがあります。
 チアノーゼのある心臓の病気、肺の病気のとき、爪が大きく逆に丸みをおびてきます(太鼓のばち指)。

チャート図:毛・爪の異常 脱毛症 内分泌の異常 甲状腺機能低下症 シモンズ病 シーハン症候群 丹毒 クッシング症候群 副腎性器症候群 貧血 十二指腸虫症

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