下腹部が痛む――婦人科に関係する病気としては外陰炎、バルトリン腺炎、ヘルペス腟炎、子宮頸管炎、子宮腟部びらん、卵巣嚢腫などが考えられます。
　また、産科の病気としては、流産、子宮外妊娠、胎盤早期剥離、胞状奇胎などが考えられ、うち、下腹部に腫瘤がある卵巣嚢腫の茎捻転と子宮外妊娠の破裂は緊急の手術が必要です。
　陰部がかゆい――カンジダ腟炎、トリコモナス腟炎、糖尿病などがあります。なお陰部から悪臭を発する病気に外陰炎や子宮内膜症などがあります。
　性器出血――通常の月経のほか、性交、外傷、異物、炎症、腫瘍などがあります。また排尿時に少量出血をみるものに、子宮腟部のびらん、子宮体がん、子宮頸がんなどがあります。
　既婚女性が突然下腹痛をうったえる場合には、流産、早産、子宮外妊娠、前置胎盤などがあります。血液の病気や肝臓病など全身病でも性器出血が起こります。いずれにせよ、性器からの不正出血は、専門医の診断を早く受けるようにすることが大切です。


　かたくてこまかいでこぼこがあり、痛みのまったくないしこりを感じたら、乳がんを疑ってみなければなりません。しこりが良性の乳腺線維腺腫の場合もあります。いくつもしこりができ、さわるとゴロゴロして、できたり消えたりし、痛みを伴うのは乳腺症です。
　しこりがあって痛みがある場合は乳腺症であることが多いのですが、あやしいと思ったらさっそく検査を受けてください。化膿菌によって炎症を起こす乳腺炎でも痛みます。