急性中耳炎、外耳炎などが典型的なものです。中耳炎はかぜに続いて起こり、頭痛を伴います。外耳炎では食物をかんだり飲みくだしたりすることが困難なほど痛みます。耳管狭窄症（耳管炎）では耳の奥がキンキン痛みます。イヤホーンや反響する室内で大きな音を聞いたあと耳痛をうったえる“音響外傷”では、鼓膜が破れていないか注意します。


　一般に外耳、中耳のわるいときには低い音、内耳がわるいときには高い音がします。耳の炎症や高熱を伴う病気のときなどにあり、メニエル病ではめまいといっしょに起こります。高血圧、更年期障害、脳腫瘍などでも起こります。原因のわからないことが少なくありません。


　健康な人でも、耳あかが非常にやわらかく流れ出すことがあります。また、耳に入った水が耳あかを溶かして出る場合もあります。多くは慢性中耳炎、外耳道湿疹、外耳道のおできなどが原因です。


　難聴は耳の病気、時に鼻の病気に伴ってあらわれます。外耳道や中耳が故障したときは、聞こえにくくなっても大きな音は聞こえます（伝音難聴）。内耳から聴中枢の系統がおかされると、高い音が聞きにくくなります（感音難聴）。
　耳あか、中耳炎、耳管狭窄症などで伝音系が故障するほか、騒音性難聴や老人性難聴があります。ストマイ難聴（ストレプトマイシンの副作用から生じる難聴）も以前はよく起こりました。内耳や聴神経がひどくおかされると、ついには全然聞こえなくなることもあります。突発難聴もあります。