目がはれる、痛む
目にごみが入ったり、突いたり(匐行性角膜潰瘍
[ふくこうせうかくまくかいよう]、つきめ)したとき、目がしらに粒腫ができたとき(外麦粒腫、内麦粒腫、霰粒腫)のほかに、次のような炎症があります。目がしらの皮膚が赤くはれて痛みが強く、時に発熱があるのは涙嚢炎です。まぶたや結膜がはれて充血し、ひとみの奥が黄色く見え、くろめが曇るのは全眼球炎で、失明状態に至ります。
発熱や過労のあとに、角膜に小さな水疱ができ、それが破れて潰瘍になるのは角膜ヘルペスです。涙がたくさん出て、再発をくり返します。治療後も白斑が残ると、視力はすこぶる低下します。
目が赤い、目やにが出る
急にしろめがまっ赤になったような場合、単に結膜下出血であるならば、なんの心配もいりませんが、もし眼底出血ですと重大です。
赤いうえに目やにが出れば、たいてい結膜炎です。もっともふつうにみられるのは細菌性結膜炎で、結膜は充血出血し、目ぼしができ、粘液膿性の目やにが出ます。目やにが黄色膿性で、固まらずたえまなく分泌されるのは、淋菌性結膜炎です。目やには少ないが、まぶしく涙が多く、まぶたの裏に白い膜がかかり、ブツブツ(濾胞
[ろほう])ができるようなときには、流行性角結膜炎です。まぶたの裏側の結膜面に灰白色の膜がかかり、この膜から出血しやすいような場合には、偽膜性結膜炎、春季カタルが考えられます。
しろめとくろめの境にほしのできるフリクテン(目ぼし)では、まぶしく、涙がたくさん出て、目があけられないことがあります。裏まぶたに透明な水疱状の粒ができて、一見トラコーマと疑われるものに濾胞性結膜炎があります。