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肩こり

 高齢者になれば肩こりは当然のように思われていますが、頸椎は運動範囲が広く、重い頭をのせているので、変形性脊椎症を起こすことがよくあり、肩こりの大きな原因になります。
 変形性の頸椎症は高齢者にきわめて多い病気で、肩こりや後頭部痛、重症になれば手のしびれも伴います。骨粗鬆症[こつそしょうしょう]の強い人には特に起こりやすくなります。鞭打ち症も含めて、頸椎の外傷のあとに肩や肩甲骨の内側にこりや痛みをうったえる人は多く、頸椎の運動で症状が強くなり、若い人にもよくみられます。
 頸椎に関係して肩腕などにこりや痛みを起こすものは頸肩腕症候群と総称しています。キーパンチャーなどの特殊な職業で頸肩から上腕の筋肉を反復して使い、特別の筋肉だけに特に強く力を入れるとき、筋が疲労し、肩から上腕の痛みを生じます。頸椎の後面に沿った縦走する靭帯が骨化して頸から肩にかけて痛む頸椎後縦靭帯骨化症があります。
 頸髄を経て頸椎から肩、背中、上肢へ行く神経が出ていますが、この間で圧迫を受けて肩こりや上肢のだるさなどを起こすのが胸郭出口症候群です。このなかには、両手を頭の下に組んで枕のようにして寝る習慣による、肩や上肢のこりやしびれなどもあります。第七頸椎に先天的に肋骨の生えている頸肋がある場合には、なおさら症状は出やすくなります。
 また、手に行く血管が圧迫されるための血行障害の症状も伴います。肺尖部の肺がんが進行して頸腕神経を圧迫して肩の痛みを起こすことがあります。
 五十肩(肩関節周囲炎)では軽いときは肩こりとして感じます。ひじを直角に曲げて上腕を外側に回旋してみれば、必ず回旋制限があるはずです。
 肩関節を外旋させる筋は、まとまって関節包に付着しており、50歳をすぎれば変性して、外傷がなくても自然に断裂することがあります。このときは上腕を横から上げていくと、約45〜90度でこりや痛みが強くなります。それ以外では痛みがやわらぐことが多いようです。これも五十肩によく合併してみられる症状です。この部位に激烈な炎症症状を伴って石灰化が起こることがあり、化膿性炎症、痛風などとまちがわれることがあります。

チャート図:肩こり 変形性頚椎症 鞭打ち症 頚椎外傷 頚肩腕症候群 後縦靱帯骨化症 胸郭出口症候群 肺がん 五十肩 神経筋疾患 更年期障害 高血圧 狭心症 心筋梗塞

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