腎臓は体内でできた老廃物や不必要なものを尿として体外に出しますが、同時に体液の量と質を一定に保つようにします。したがって、尿として出された水は、体内の不要物質のみでなく、必要物質をも含むと同時に、その量はからだの必要によって増減します。
1日の尿量は、健康成人で平均1500ml くらいですが、暑いときや運動をして汗をかき水を飲まなければ減ります。水を余計飲んだり、緑茶や紅茶など尿を多くする成分を含むものを飲んだら尿がふえるのは当然です。ただ、異常に多いか少ないかということになると、病気と結びついてきます。
回数や量が多い
尿は、腎臓から出て尿管を通り、膀胱にたまったものが、1日数回尿道から出ます。その回数はあまり変わらず、少々の多少は気にすることはありません。膀胱炎でもあると、排尿のとき痛んだり、排尿刺激が増して排尿回数がふえます。
また男性が年をとり前立腺肥大症などがあると、十分に圧を加えないと尿が出にくくなり、排尿に時間がかかり十分に出てしまわないので一度にすこししか出ず、夜寝ていても、起きて何度でもすこしずつ排尿することになります。
尿量が異常に多くなる病気には糖尿病、慢性の腎臓病、腎硬化症、尿崩症などがあり、特に尿崩症では1日10リットルに達することがあります。
回数や量が少ない
尿量が少ないと、膀胱の刺激が起こらず、排尿回数が減ります。腎臓がほんとうにわるくて尿毒症の末期ともなれば、乏尿となります。また腎臓はなんともなくても、尿道に石がつまったり、排尿を起こす神経経路に障害が起こったりすると、尿が膀胱にいっぱいたまり、しかも出ないということも起こります。これを“尿閉”といいます。
尿道から細いカテーテル(ゴムやプラスチックの細管)を入れて、とってやらねばならないこともあります。尿量
が異常に少なくなる病気としては、急性腎炎、ネフローゼ、腎不全の末期、肝硬変、うっ血性心不全、出血多量
のとき、やけど、日射病、膀胱がん、尿道結石、尿道狭窄、脱水症などです。