育児は、この世のなかの作業で、もっとも重要で意義のある、そしてとても体力と忍耐力がいる仕事です。ご両親がそろっているご家庭ならご両親力を合わせて、そして、1人で育児をする状況なら、ぜひ、ご近所や身近な人の協力体制をしいてください。
子どもを育てることは、一人ひとりがその遺伝子を後世に伝え、人類が一人ひとりの人生の記憶を残しながら命を伝える作業です。社会に有為な大人に育て上げることだけが育児の目的ではありません。一人ひとりが大切だということを伝えながら、命を継承することが育児です。
健康な赤ちゃんも、病気をもって生まれた赤ちゃんも、等しく、十分な愛情とケアを受けて、一人ひとりが大切だという親の思いを継承する権利があります。育児書のこまかい情報にはまどわされずに、命のつながりを伝えているというもっとも大事なことを、忘れないようにしてください。この思いがあれば、育児のたいへんさや悩みは、乗り越えられることが大半です。
それでもつらいときはあります。そのようなときには積極的に支援を求めてください。育児は親だけのものではなくて、社会のものでもあり、また、行政が支援すべきものです。
小児科医はいつも、育児の悩みにこたえる用意があります。1人で悩まずに小児科医や保健師の支援を求めてください。親や身近な人、ご家庭の近くの先輩とそれらの専門家といっしょになって一人ひとりを大切に育てていきましょう。