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胎盤機能不全

 妊娠中毒症、腎臓病、高血圧、糖尿病などが合併した場合や、予定日を2週間以上すぎても、赤ちゃんが生まれない場合などには、胎盤のはたらきがわるくなるおそれがあります。胎盤の機能がわるくなることを胎盤機能不全と呼びます。
 次のような検査法によって胎児や胎盤の状態を診断し、胎盤機能不全がひどくなっていれば、分娩を誘発したり、帝王切開によって胎児を娩出させます。

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 胎盤機能検査

 胎盤は母親の血液から酸素と栄養素を受け取って胎児に渡し、二酸化炭素と老廃物を受け取ります。このはたらきがおとろえると、胎児の発育がとまり、未熟児が生まれたり死産になったりします。
 これらのはたらきを直接はかることはできませんが、胎盤から分泌されるホルモンの量が胎盤のはたらきを示しているので、尿中に排泄されるエストリオールというホルモンを測定することで胎盤の機能がわかります。また、エストリオールの材料となる物質は胎児の副腎でつくられますから、胎児の副腎機能と胎盤機能の両方を知ることができます。
 あとに述べる胎児の心拍数の変化によっても胎児の状態を知ることができます。

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 超音波断層装置

 この装置のおかげで妊娠の診断、胎児のかたち、内臓の状態、胎盤の位置などがわかり、胎児の体重も推定できます。胎盤機能不全の場合にも、胎児発育の状態を観察することができます。

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 分娩監視装置

 お産をするお母さんばかりでなく生まれてくる胎児にとっても、お産は大きなストレスになります。子宮が収縮するたびに胎盤を流れる血液が減って酸素が不足します。したがって出産のときには胎児の状態を注意深く監視する必要があります。
 分娩監視装置は子宮の収縮、すなわち陣痛の強さと胎児の心臓の拍動数とを連続的に測定記録する装置です。これによって胎児の状態が非常に簡単に、しかも正確にわかるようになりました。
 心臓の拍動数は「胎児の発育」の項で述べたドップラー法を使ったり、ときにはお産の途中で、子宮の出口から胎児の頭に電極をつけて胎児の心電図をとり、心拍数を測定することもできます。この装置のおかげで出産中の胎児の状態に異常が起こっても早期にわかるようになり、安全にお産ができるようになりました。
 この装置は出産のときばかりではなく、妊娠の末期にも胎盤のはたらきを知るのに役立ちます。妊娠の末期には胎児の心拍数を連続記録しながら、おなかを軽くたたいたり、大きな音を聞かせると心拍数が多くなります。胎動のあとも、大人が運動したあとのように心拍数が多くなります。胎児の元気がなくなると、このような変化が起こらなくなるので診断ができます。

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