射精によって腟内に放出された精液の中には数億の精子が含まれていますが、その大部分は腟内が強い酸性であるために死滅してしまいます。
残りの精子(約数百万)は尾部を活発に動かして頸管
[けいかん]の中を上昇します。精子には流れにさからう性質があり、女性の性器の中では卵巣のほうから頸管に向かう流れがあるので、この流れにさからって上昇していくわけです。
排卵の直前になると子宮の頸管からは多量の粘液が分泌され、この粘液の中には精子の運動を助ける物質が含まれています。また排卵直前の粘液は、精子がその中を通過しやすいように構造が変化しています。
頸管を通る間に粘液腺の中などにもぐり込んでしまう精子もありますから、子宮腔の中を上昇し続ける精子は数千に減少しています。女性がオルガスムスに達すると、子宮が収縮し、それが精子の子宮内進入を助けるという説もありますが、女性が妊娠するのにオルガスムスは必ずしも必要なものではありません。
子宮底の左右から2本の卵管が出ていますから、精子はそれぞれの卵管の中を進み続けます。女性のからだの中では4週間に1回、左右の卵巣から交互に排卵が起き、卵子は卵管采
[らんかんさい]から卵管の中に取り込まれて子宮の方向に運ばれます。
精子は反対に子宮から卵巣のほうに向かって上昇しますから、排卵の前後に性行為がおこなわれて卵管の中で両者が出会えば受精が成立します。
