最近の社会現象として結婚、妊娠、出産、子育てなどに対する女性の意識が急速に変化しているように思われます。晩婚化、晩産化、少産少子化などは大きな社会問題となっています。女性の意識が急速に変化するなかにあって、社会的環境は必ずしも一挙に変化していきません。それでも1997年10月には男女雇用機会均等法が改正され、妊娠・出産に関する健康管理の義務化が加わり、1999年4月から施行されています。また、98年には働く女性の母性保護規定が強化されています。しかし、女性が安心して子どもを産み育てる社会環境、職場環境はまだ不十分であり、今後の課題です。
21世紀の母子保健のビジョンを示すために行政を中心に「健やか親子21検討会」などで報告書がまとめられていますが、女性が安心して子どもを産み育てる環境の整備について社会全体として真剣に取り組むべき時期であるといえましょう。
このような変化の時代にあって、性や結婚に対するこれまでの常識が表面的には変化していますが、女性が子どもを産み育てる役割を有することは人類が生存していくためには必須であり、医療にかかわるものは女性の置かれた社会的立場の変化を理解しつつ、結婚、妊娠、出産、子育てに関して幅広い支援をおこなうことが必要であろうと思われます。
「結婚の医学」については社会の考えかたが変化し多様化しても、夫婦および母児の健康な生活を守り維持していくことが基本です。結婚、妊娠という機会は、若い女性が全身の健康状態をチェックするだけでなく、性機能が正常であるか否かの確認のために最適な時期であるといえましょう。
梅毒血液検査、B型およびC型肝炎の検査、エイズウイルス(HIV)・淋病・クラミジアなどの性病の検査、風疹抗体価などの検査はこれからの結婚生活を健康に送るためには大切なことです。