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潜函病[せんかんびょう]
(ケイソン病、減圧症[げんあつしょう]

 潜函作業や潜水作業のように高気圧のもとで作業をおこなうと、空気中の窒素が体内の血液や組織の中に溶けこみ、作業が終わって常圧に戻ると、この余分の窒素は徐々に排泄されます。この常圧に戻る減圧の過程が早すぎると、溶け込んでいた窒素が過飽和状態となり、気化して気泡となってからだの組織、ことに血管につまることによって、いろいろの症状を起こす状態をいいます。
 急性症状としては、1.かゆみや丘疹、出血斑を生ずる皮膚症状、2.関節部やその周辺部のにぶいけれども激しい痛み、前胸痛、3.息切れ、頻脈、血圧低下、チアノーゼなどの呼吸循環器症状、4.特に下半身の運動まひ、知覚障害、メニエル様症状などの中枢神経系症状の4つのタイプがあります。
 予防としては、作業圧に応じた滞在時間の制限と適切な減圧法の厳守が挙げられます。治療は、再度高圧下に戻し、気泡化した窒素を縮小させ、その後、慎重に減圧をしていく再圧治療が唯一の効果的な処置とされます。

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