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急性腎不全[きゅうせいじんふぜん]

 急性腎不全とは、1.腎臓に供給される血流が大量の吐血、下血、喀血、手術中の大出血、心筋梗塞や、高度の火傷などにより血圧が急に低下したとき、敗血症によるショック、高度の脱水などによって腎血流が急激に少なくなる(虚血性急性腎不全)、2.腎毒性を有する物質に尿細管がさらされる、たとえば除草薬パラコートを誤って飲んでしまったなど(腎毒性急性腎不全)、2つの原因で尿細管が壊死[えし]におちいって腎臓の機能が突然とまってしまう状態をいいます。

症 状

 急性腎不全は、図に示すように初期、乏尿期、多尿期に分けられます。発症後2、3日たつと、1日の尿量が500ml 以下に減ります(なかには乏尿にならない例もあり、これは非乏尿性急性腎不全と呼ばれます)。この時期には血清尿素窒素、クレアチニン、カリウムなどの値が急上昇して意識障害、四肢の脱力、生命に危険な不整脈などが出現します。原因が取り除かれれば、尿細管の再生力は強いので、1〜2週間後には尿量が2000ml 以上にふえる多尿期を経て回復します。



予 後

 腎臓のみがおかされる例は透析療法の普及した今日回復しやすいのですが、腎臓以外に呼吸不全、肝不全などの多臓器不全(敗血症や重症の交通事故後の急性腎不全などで起こりやすい)を合併した例では、生命予後はいちじるしく不良です。

治 療

 入院して安静を守り、水分摂取を制限し、たんぱく質と食塩は乏尿のいちじるしい例ではほぼゼロとし、カロリーは粉飴などの糖分で補います。血清クレアチニン、尿素窒素の上昇がいちじるしく、かつ高カリウム血症が認められたならば、ただちに血液透析を実施します。

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