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過換気症候群[かかんきしょうこうぐん]

 はっきりとした肉体的原因がないのに、発作的に呼吸回数が早く多くなり(過換気=過呼吸)、血液中の酸塩基平衡がくずれ、アルカリ性(アルカローシス)になる状態をいいます。精神的、心因性ストレスが引き金になることが多いといわれています。夜間の救急外来を受診することが多い病気です。

原 因

 過換気症候群の急性発作は、さまざまな身体的・精神的ストレスで誘発され、心身症的要因が強い病気です。若年女性に多いといわれ、高齢者にもみられます。家庭、職場、学校での不安、興奮、緊張が誘因となり、急性の過換気になると、ますます不安が高まり、過換気が持続する悪循環におちいります。

症状・診断

 症状は多彩です。呼吸困難、多呼吸、手のしびれ(テタニー症状)、くちびるのしびれ感が30分〜1時間持続します。動悸をうったえることもあります。重症になると意識消失、意識混濁も出現し、しばしば脳卒中とまちがえられます。
 診断は、患者の精神的ストレス、過去の病気などの問診と、動脈血ガス分析で動脈血炭酸ガス(PaCO2)分圧の低下とpHの上昇、そして呼吸性アルカローシスを証明することです。

治 療

 急性発作時に、紙ぶくろまたはビニールぶくろをふくらませ、口と鼻をおおい、ふくろの中の空気を呼吸させます。ふくろの中の二酸化炭素を再呼吸するので肺と血液中の二酸化炭素濃度が上昇し(PaCOの低下、pHの上昇)、呼吸性アルカローシスの症状が改善します。また、気分をおちつかせるために鎮静薬の静脈注射または筋肉内投与も併用します。

袋を利用した二酸化再呼吸法

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