のどは鼻に続く空気の通路(気道)と口からの食物の通路(食道)とがいっしょになり、また分かれていくところです。
のどは、咽頭と喉頭に分かれますが、口をあけて舌を押さえて見える部分が咽頭です。また上に軟口蓋
[なんこうがい]と口蓋垂
[こうがいすい]があります。この奥の見えないところも咽頭の一部で、上咽頭といいます。くびの正面から見て、のどぼとけより約1cm上のところが喉頭のはじまりです。器械を使わない限り、見ることはできません。
口をのぞき、「カー」と声を出したとき、動いて上に上がる部分が軟口蓋、その前の動かない部分が硬口蓋です。軟口蓋の中央で下に垂れ下がっているのが口蓋垂です。軟口蓋は左右に弓形をしたひだで舌の根元に続いています。このひだは前後2つあり、その間にくぼみをかたちづくっています。このくぼみに扁桃(正しくは口蓋扁桃)があります。扁桃組織はこのほかにもたくさんあり、たとえば大きなものでは上咽頭のうしろの壁や舌の根元にもあって、それぞれ咽頭扁桃(アデノイド)、舌根扁桃といいます。これらの扁桃はリンパ組織からなり、病原体からからだを守るはたらきをもっています。
喉頭は喉頭蓋から始まり、中に声帯があって、気管に続いています。喉頭を正面から見ると図のように声帯のあるところがいちばん狭くなっていて、その上下は広くなっており、ちょうど砂時計のようになっています。この狭いところを声門といいます。
水や食物を飲み込むときには、喉頭蓋はうしろに倒れて喉頭の上部をふさぎ、気管のほうへ行かないようにします。また、声帯も左右がたがいに密着して、声門が閉じられます。声を出すときは、まず左右の声帯が接して声門は閉じられ、空気はその圧力で声門を無理に押し広げて上に行き、その結果、圧力が低くなって声門はまた閉じます。このようにして声帯は何回も開閉をくり返し、この結果、生じた空気の振動が声となるのです。異物が気管に入ったり、気管の粘膜が刺激を受けたときにも声門は閉じ、そして肺の中の空気は強い圧力で声門を押し広げて出て異物や分泌物を吹き飛ばそうとします。これがせきなのです。つまり喉頭は、飲み込み(嚥下
[えんげ])、発声、そして気管や気管支の保護に重大な役割をもっています。
いっぽう、咽頭も発声に重要な役割をします。軟口蓋は鼻腔に空気がもれるのを防ぎます。また水や食物を飲み込むときにも、それらが鼻に抜けることなく、うまく食道に送り込まれるように咽頭のいろいろな筋肉がはたらくのです。咽頭の粘膜が強くはれると、空気の通り道が狭くなり、呼吸困難になったり、含み声になったりします。咽頭も嚥下、発声、呼吸に重要な役割をもっているのです。