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胃・食道疾患[い・しょくどうしっかん]

 高齢者では、消化管全体の運動機能が低下しているために、食べたものが食道に停滞することが多くあり、ものがつかえやすいといえます。入れ歯がはずれているのに気づかず、うっかり飲み込んでしまうようなこともあります。
 高齢者には食道がんが多く起こります。嚥下障害などの症状が出てくるような場合は、進んでいることが多く、多くは無症状か「胸にしみる感じ」などとしてうったえられることが食道がんの症状であったりすることがあります。狭心症としばしばまちがえられる逆流性食道炎も近年ふえてきました。
 年とともに、胃粘膜の萎縮領域は広がります。そのため萎縮性胃炎が増加します。胃・十二指腸潰瘍はどちらかといえば若年者の疾患ですが、十二指腸潰瘍の7〜10%は65歳以上の高齢者であるともいわれています。抗炎症薬、鎮痛薬などが原因の潰瘍も多くみられます。
 近年若年者の胃がんが減少してきた代わりに、高齢者の胃がんがふえてきました。それだけ長生きするようになったということです。胃がんの手術適応はむずかしいのですが、合併症がなければかなり高齢でも適応があると考えられ、個別に判断して決めます。

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