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高齢者の病気の特徴

 三原則

 いつまでも、健やかな老後を送るためには、健康的な生活習慣を身につけることがまず第一に大切ですが、なんといっても最大の敵は病気です。高齢者の病気には、3つの大きな特徴があります。

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多臓器障害
 高齢者の病気では、どこか1つの臓器や器官だけがわるいということは、むしろまれです。心臓病が主であっても、関節症、気管支炎、糖尿病、膀胱炎などいくつもの病名がつくのが通例です。このことは、非常に大事なことで、このために、いったんこじらせると次々と余病を併発して大事を招く結果となるのです。

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非定型的症状
 高齢者の症状は、「家庭医学書」に載っているようなものがいつもあらわれるとは限りません。肺炎の症状が、どうも最近挙動がおかしい、徘徊[はいかい]するなどの性格行動変化であったりすることがけっこう多いのです。このように、典型的でない症状の場合、それが特に精神神経症状となってあらわれることが多いのも特徴です。また、たとえ症状があっても、自らうったえなかったり、うったえられないこともしばしばです。ちょうど赤ちゃんのようすが変だ、なにか病気が隠されているのではないだろうかと疑うように、高齢者にもきめのこまかい注意と配慮が必要です。

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薬の副作用
 高齢者に投薬される薬剤の種類や量は、多くなりがちです。1つの薬剤が他の臓器に影響を与えるということをいつも念頭に置かなければなりません。いっぽうで、自分から薬を医者に要求することが多いのも事実です。薬のために自分は健康だと考えがちです。しかし、はたしてほんとうにそれほど多種類の薬が必要なのでしょうか。なにか元気がない、食欲がない、いつもベッドから離れないといった高齢者に、薬の種類を減らしたとたんに改善したという経験を、多くの医者が少なからずもっています。薬剤の種類は、少なければ少ないほど名医といっていいのです。高齢者は薬に対する依存感が強く、処方指示にきちんと従う傾向があります。しかし、同時に薬ののみまちがい、のみ忘れも非常に多く、およそ半数の高齢者が処方どおりに服用していないというデータもあります。自分自身で薬がちゃんと服用できるのか、チェックの必要があります。
 薬剤の効果は、吸収、分布、代謝、排泄などの因子によって左右されます。高齢者の場合、特に問題となるのは、体内水分量の減少、血清アルブミンの低下、および腎機能の低下です。これらは、薬物の濃度を高める作用を有し、低栄養状態のやせた小柄な高齢者には、特に注意がいります。高齢者では初回投与量を少なく、増量は徐々にというのが原則です。
 検査所見上あるいは症状のうえで副作用が出現していないか、絶えず監視する姿勢も必要です。薬剤の相互作用の結果、思わぬ副作用が出現しうるのです。

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