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老化と身体機能

 わが国の死因のほとんどは、がん、脳卒中、心臓病で占められています。これらの病気の最大の犠牲者は、いうまでもなく高齢者です。これらの病気を未然に防ぎ、あるいは治療することは、人間が長生きしたいという願望をもっている以上、われわれの最大の関心事であることは当然です。
 ところで、最近の高齢化社会においては、たくさんの人が病気をせずに、あるいは病気をしても死ぬほどわるくならずに70〜80歳以上まで寿命を延ばすことができるようになりました。老後の理想は、現役として立派に社会的活動に従事したり、ゲートボール、温泉や旅行を楽しむ健康を保持することでしょう。
 70〜80歳の高齢者では、からだの各臓器に老化が進んでいるばかりでなく、すでに多種の疾患も潜んでいることが多いのです。すでに老化したからだに対して、いまさら高血圧やコレステロールの治療をしても、若い人ほど心・血管疾患の予防効果は得られないでしょう。おまけに老化の進行の早い人や有疾病者は、自分1人では生活できず、絶えず他人の世話を受ける必要のある状態におちいっているかもしれません。これは、人生の最後を有終の美で飾りたい本人にとって、たいへん不幸なことであるばかりでなく、介助する側にも大きな負担を強いることになり、現在すでに重大な社会問題となりつつあります。
 ここで、とても大切な考えかたが浮上してきます。それは、“病気”の予防、治療も大事ですが、高齢者の“機能”そのものを評価し、それをよりよく保持することのほうがもっと大事ではないのだろうかということです。高齢者の“機能”について、「高齢者の機能評価」でくわしく説明します。

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