更年期
規則的だった月経が不規則になり、基礎体温を記録して排卵のないことがわかると更年期といえます。やがて閉経になりますが、月経がなくなって卵巣からエストロゲン(女性ホルモン)が出ている間は、まだ更年期です。
更年期障害[こうねんきしょうがい]
更年期になってエストロゲンが急に減少したことによって起こる症状を更年期障害といいます。一般には、のぼせ、めまい、発汗、心臓がドキドキするなどの血管運動神経障害の症状や、憂うつ、イライラ、記憶力減退、頭痛、不眠、耳鳴りなどの精神神経障害、肩こり、腰痛症、便秘、食欲不振などがそのおもなものです。
ここで注意しなければならないことは、狭い意味での更年期障害とうつ病、仮面うつ病などの精神障害、それからエストロゲンが慢性的に欠乏することにより起こる異常との鑑別です。初期のうつ病を更年期障害ぐらいに考えているとたいへんなことになります。
老年になってエストロゲンが少なくなると、骨がもろくなって骨折しやすくなりますし、性器は萎縮
[いしゅく]して、老人性腟炎にかかりやすくなります。さらに、性欲減退を招いたり、性交痛をうったえるようになります。

更年期障害のホルモン療法
むかしはこのような更年期障害に対して、対症療法しかしていませんでしたが、最近はこれらの更年期症状の原因がエストロゲンの減少によることがはっきりしてきました。症状がひどいときは積極的にエストロゲンを投与して治療する傾向にあります。のぼせや動悸、発汗、肩こり、イライラなどに対してエストロゲンを投与することによりこれらの症状を抑えることができます。このホルモンを服用することは、骨粗鬆症
[こつそしょうしょう]や高脂血症あるいは老人性痴呆の予防にもなるといわれています。
しかし、同時に乳房が緊満したり、不正出血があったり、子宮体がんや乳がんの危険もまた考慮する必要があり、医師によく相談して上手に利用してください。
これらは更年期障害というより“老年障害”というべきもので、平均寿命が延びるにしたがい、ふえると思われます。この違いを認識することが大切です。
肩こりや頭痛は、高血圧でもみられる症状ですから、漫然とこれらの症状を更年期障害だぐらいに思うのは危険です。
高年になるほど、いろいろな健康上の異常がふえるのがあたり前なのですから、子宮がんの検査を含めて、人間ドックなどで定期検診を受けるようにしましょう。