意識障害とは意識レベルが低下している状態をいいます。そして意識レベルを評価する方法として日本国内でよく用いられるのがJCS(Japan Coma Scale)です。
このJCSは簡単にいえば、刺激(大声で呼びかける、肩を揺さぶる)しなくても目をあけていれば1ケタ、刺激すれば目をあけるのが2ケタ、刺激しても目をあけないのは3ケタと表現します。救急車を呼ぶときに「じいちゃんが倒れて、意識レベルJCS3ケタです」というと、救急隊員や医療機関にはたいへん参考になります。
そして、JCSが2ケタ(10〜30)はすぐに医療機関へ連れて行きましょう。また、JCSが3ケタ(100〜300)はたいへん重篤な状態です。大至急、救急車で救急病院へ運んでもらいましょう。
意識障害をきたす病気・けが
意識障害をきたす病気やけがは、こまかく分ければ何百とありますが、ここでは簡略にまとめました。現場で大切なことは次のとおりです。
1.意識レベルの程度の確認…JCSで1ケタか、2ケタか、3ケタか。
2.呼吸・循環の確認…息をしているか、脈は触れるか。
3.昏睡体位にすること…意識障害の患者は往々にして嘔吐し、吐いたもの(吐物)をのどや気管につまらせて気道閉塞になりやすいことに注意しましょう。したがってJCS2ケタ以上の意識障害の人では、嘔吐しても大事に至らないように昏睡体位にします。