49 脳代謝改善薬


 どんな作用をする薬か?

1)脳神経細胞に必要な物質が脳内にとり込まれるのを助ける作用や、2)脳血管を拡張させて血行障害を改善させる作用をもつ薬です。

 どんな場合に使用するか?(適応症)

しびれ、めまい、耳鳴り、意欲低下などの脳血管障害(脳梗塞(のうこうそく)、脳出血(のうしゅっけつ)など)の後遺症に有効です。

 薬の種類

〔1〕脳代謝改善薬
〔2〕血管拡張薬:【27】血管拡張薬を参照。
〔3〕その他の脳代謝改善薬

 使用してはいけない場合

脳の血行障害を改善させる作用がある薬剤は、頭蓋内出血がある患者で、止血が終わっていない場合は使用しないでください。

 使用上の注意

脳代謝改善薬には、速効性がある薬剤が少なく、2週間以上しないと効果があらわれません。もし4〜8週間しても効果がない場合は、他の薬剤に切りかえるなどが必要です。

 その他

平成10年5月、脳代謝改善薬のうち、イデベノン、塩酸インデロキサジン、塩酸ビフェメラン、プロペントフィリンが販売中止になりました。これは厚生省から「薬理作用はあるが、現在の医療環境の中でこれらの薬剤の慢性期の脳血管障害時の治療における医療上の有用性は承認当時に比較すると低下したと判断される。」との見解があったためです。


〔1〕脳代謝改善薬

薬の特徴

この薬剤は、おもに脳の代謝をよくし、脳のはたらきを活発にさせる作用をもっています。


11.フマル酸ブロビンカミン製剤

特徴

脳において選択的である血流量増加作用、脳内グルコース消費量およびATP含量を増加させることで脳のエネルギー代謝を改善する作用、脳組織の保護作用、血小板凝集を抑制する作用、血液流動性を改善する作用などを有しています。

商品名

◆アトラミオン[錠](長生堂)
◆サビンカシン[錠](マルコ)
◆ザブロミン[錠](ノバルティスファーマ、三共)
◆サブロン[錠](メディサ、沢井)
◆トーブロミン[錠](東洋ファルマー)

適応

脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴う慢性脳循環障害による諸症状の改善。

注意

つぎの場合は服用しないでください。
1)頭蓋内出血後、止血が終わっていないと考えられる患者。
2)妊婦または妊娠している可能性のある女性。

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