33 呼吸促進薬


 どんな作用をする薬か?

1)「呼吸中枢刺激薬」は、呼吸中枢を直接的または間接的に刺激することで、換気量を増加させる作用をもつ薬です。
2)「麻薬拮抗薬(きっこうやく)」は、麻薬の副作用である呼吸抑制作用に拮抗して、改善させる作用をもつ薬です。

 どんな場合に使用するか?(適応症)

【31】気管支拡張薬と同じように、呼吸器系の「救急薬」として有効な薬です。 たとえば、気管支ぜんそく、慢性気管支炎、慢性心不全、肺気腫(はいきしゅ)などの急性増悪・発作がみられたとき、あるいは薬物中毒による呼吸抑制の場合などに使用されます。

 薬の種類

〔1〕呼吸中枢刺激薬
a.末梢性呼吸刺激薬=塩酸ドキサプラム(注射薬のみ)。
b.中枢性呼吸刺激薬=ジモルホラミン(注射薬のみ)、塩酸ジメフリン、フルマゼニル(注射薬のみ)。
〔2〕麻薬拮抗薬
酒石酸レバロルファン、塩酸ナロキソン(いずれも注射薬のみ)。
〔3〕その他の呼吸促進薬
肺サーファクタント(注入薬)。

 使用してはいけない場合

呼吸筋が疲労している呼吸器疾患のある患者。

 慎重に使用する場合

中枢性呼吸刺激薬の場合は、てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある患者への使用には注意します。

 おもな副作用とその対策

1)食欲不振、口渇などがみられたときは、減量または中止します(中枢性呼吸刺激薬)。
2)大量に投与した場合は、間代性または強直性のけいれんがおこります(中枢性呼吸刺激薬)。
3)呼吸促進薬は、呼吸中枢だけでなく、中枢神経全体を刺激するので、血圧上昇、頻脈、せきなどがおこることがあります。このような症状があらわれた場合には使用を中止してください。

 他の薬品・病気との関連

1)エストロゲン(【14】女性ホルモン薬)にも呼吸刺激作用があります。
2)慢性呼吸不全の急性増悪時には、酸素を併用して使用します。
3)キサンチン系誘導体、交感神経刺激薬
【31】気管支拡張薬)、ジギタリス製剤
【24】強心薬)にも、呼吸筋を活発にさせる作用があるので、使用されることがあります。

 使用上の注意

この系統の薬剤は、使用がたいへんむずかしく、緊急を要する場合もあるので、医師の管理のもとで治療するようにしてください。


〔1〕呼吸中枢刺激薬


a.末梢性呼吸刺激薬


塩酸ドキサプラム製剤(注射薬のみ)


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