29 昇圧薬


 どんな作用をする薬か?

起立性低血圧症などにおいて、心拍出量を増大させる作用、または全末梢抵抗の増加によって血圧を上昇させる作用をもつ薬です。

 どんな場合に使用するか?

1)低血圧症(本態性(ほんたいせい)、起立性)。
2)神経循環無力症。
3)ショック状態(出血性、心原性、エンドトキシン性、アナフィラキシー性)[注射薬のみ]。

 薬の種類

〔1〕カテコラミン系製剤:【24】強心薬を参照。
〔2〕非カテコラミン系製剤

 使用してはいけない場合

1)甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)の患者。
2)高血圧症の患者。
3)褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)のある患者。
4)狭隅角緑内障(きょうぐうかくりょくないしょう)の患者。
5)残尿を伴う前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)のある患者。
※3)4)5)はメチル硫酸アメジニウム製剤のみ。

 他の薬品・病気との関連

心筋収縮増強作用をもつジギタリス製剤(【24】強心薬)、グルカゴン(注射用ホルモン剤)、カルシウム製剤(【62】骨・カルシウム代謝改善薬)も昇圧薬として使用することがあります。


〔2〕非カテコラミン系製剤


2.塩酸ノルフェネフリン製剤

特徴

低血圧治療剤。

商品名

◆コリタート[錠](吉富)
◆ゾンデル[錠](グレラン、武田薬品)

適応

各種低血圧症(本態性低血圧症、症候性低血圧症、起立性低血圧症)。

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