24 強心薬


 どんな作用をする薬か?

心臓の筋肉の収縮を増強させ、弱った心臓の機能を改善させる作用をもつ薬です。

 どんな場合に使用するか?(適応症)

うっ血性心不全や上室性頻脈性不整脈に使用されます。特に、先天性の心臓病、心臓弁膜症、重症の高血圧、肺性心(はいせいしん)、その他の慢性病などによって、心筋のポンプ作用が低下しているような心不全に効果があります。

 薬の種類・特徴

〔1〕ジギタリス製剤
〔2〕キサンチン系製剤=【31】気管支拡張薬を参照してください。
〔3〕カテコラミン系製剤
〔4〕その他の強心薬=β(ベータ)‐刺激薬、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬(強い血管拡張作用と心筋収縮増強作用のある薬)。

 使用してはいけない場合

この系統の薬に過敏症がある患者は使用しないでください。

 他の薬品・病気との関連

1)ACE阻害薬(【28】降圧薬)も、心不全患者の長期予後の改善に有用で、使用されます。
2)β‐遮断薬(【28】降圧薬)は、少量使用して、拡張型心筋症に使用されます。
3)心不全には、心臓の筋肉のはたらきを高める強心薬だけでなく、心臓の負担を軽くする目的で【30】利尿薬、【27】血管拡張薬も使用されます。


〔4〕その他の強心薬

薬の特徴

β1‐受容体刺激作用をもつ薬剤、ホスホジエステラーゼ阻害作用をもつ薬剤、さらにはカルシウム感受性を高める薬剤などがあります。


1.デノパミン製剤

特徴

心機能改善剤。β1‐受容体刺激作用により心拍出量は増加しますが、全末梢血管抵抗は減少し、平均血圧は変化しません。長期間使用しても、耐性が生じにくい薬です。

商品名

◆カルグート[細][錠](田辺)

適応

慢性心不全。

注意

副作用として動悸(どうき)、不整脈、発疹(ほっしん)がみられることがあるので、服用量を勝手に増減しないようにしてください。

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