抗真菌薬


 どんな作用をする薬か?

真菌(皮膚糸状菌、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコックス)などのかびの増殖を阻止する作用をする薬です。

 どんな場合に使用するか?(適応症)

1)みずむし(皮膚糸状菌による白癬(はくせん))などの表在性皮膚真菌症。軽症の場合は、皮膚用抗真菌薬を使用します。
2)各種の重篤な疾患によってからだの免疫力が低下した場合などに、内臓などが感染する深在性真菌症。内服用・注射用抗真菌薬を使用します。

 薬の種類

〔1〕内服用・腟(ちつ)用抗真菌薬
1.グリセオフルビン製剤
2.アムホテリシンB製剤
3.フルシトシン製剤
4.フルコナゾール製剤
5.イトラコナゾール製剤
6.ナイスタチン製剤
7.ミコナゾール製剤
8.トリコマイシン製剤
9.ピマリシン製剤
10.クロトリマゾール製剤
11.硝酸エコナゾール製剤
〔2〕皮膚用抗真菌薬
1.トルナフタート製剤
2.フェニルヨードウンデシノエート製剤
3.シッカニン製剤
4.シクロピロクスオラミン製剤
5.硝酸オキシコナゾール製剤
6.硝酸イソコナゾール製剤
7.トルシクラート製剤
8.チオコナゾール製剤
9.硝酸スルコナゾール製剤
10.塩酸クロコナゾール製剤
11.ビホナゾール製剤
12.塩酸ブテナフィン製剤
13.塩酸ネチコナゾール製剤
14.塩酸テルビナフィン製剤
15.ケトコナゾール製剤
16.ラノコナゾール製剤
17.塩酸アモロルフィン製剤

 おもな副作用とその対策

内服用抗真菌薬の副作用としては下記のものがあり、万が一症状があらわれた場合は、減量または中止してください。
1)頭痛・頭重感。
2)食欲不振、軟便、下痢、悪心、嘔吐(おうと)などの消化器症状。
3)浮腫(ふしゅ)などの腎(じん)障害。
4)肝機能障害。

 他の薬品・病気との関連

1)【22】抗血栓薬の経口抗凝固薬(ワルファリン)との併用で、抗凝固薬の作用が増強します。
2)テルフェナジン、アステミゾール(【10】抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬)との併用で、心室性不整脈などの心血管系の副作用があらわれます。
3)トリアゾラム(【44】睡眠・鎮静薬)との併用で、トリアゾラムの作用が増強します。
4)シサプリド(【37】健胃消化薬)との併用で、シサプリドの作用が増強します。
5)【13】糖尿病治療薬の経口血糖降下剤との併用で、血糖降下作用が増強します。
6)フェニトイン(【46】抗てんかん薬)との併用で、フェニトインの作用が増強します。
7)リファンピシン(【1】抗菌薬(抗生物質ほか))との併用で、本剤の作用が減弱します。


〔2〕皮膚用抗真菌薬

薬の特徴

抗真菌薬のなかでも、特に皮膚科領域の疾患(水虫など)に使用されます。


7.トルシクラート製剤

特徴

真菌のなかでも、白癬菌に効果がある薬です。

商品名

◆トスキール[ク](藤沢薬品)
◆トルミセン[液][ク](ファルマシア・アップジョン、協和醗酵)

適応

足、体部、股部の白癬。

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