高血圧 漢方薬

高血圧治療に漢方薬

漢方薬は高血圧の治療にも有効です。現在、高血圧に効果のある薬(西洋薬)には、様々な種類があります。みなさんの周りの人たちの中にも高血圧の薬を常用している方も多くいるのではないでしょうか。漢方薬は高血圧症の人の治療に使われることがあります。西洋薬と比べ、血圧を下げる作用は緩やかですが、副作用が少ない点などから、軽症高血圧や高齢者の高血圧には適しています。また、漢方薬は心身全体の調和を整えることによって血圧が安定させる薬なので、心身症傾向のある高血圧に効果があります。降圧剤によって血圧が下がってきたものの、付随する自覚症状が消えない場合にも漢方薬を用いることがあります。

どんな種類の漢方薬が高血圧には有効?

では、どんな種類の漢方薬が高血圧の患者に使われるのでしょうか。高血圧症の患者の付随症状として、代表的なものに「肩こり」があります。肩こりの症状を和らげ、緩やかながらにも血圧を下げる作用のある漢方薬には防風通聖散・三黄潟心湯・七物降下湯などがあります。防風通聖散は、肥満傾向にある人で動機・のぼせの症状がある人にも効果があります。肩こりに加え、頭痛やめまいも症状として自覚している人には桃核承気湯が良いでしょう。この他にも高血圧に適応がある漢方薬は多くあります。また、漢方薬は適応がなくても個人個人の証にあっていれば高血圧に効果を発揮するものもあるのです。例えば、高齢者では、心臓からの血液の拍出量が少なくなる傾向にあり、抹消血管抵抗が上昇しやすくなります。高齢者に良く用いる八味地黄丸や牛車腎気丸は高血圧症の適応はないものの、心拍出量を増やし、抹消血管抵抗を減らす生薬が含まれているので、血圧を安定させるのに効果があると言われています。

漢方薬も西洋薬も高血圧治療には有効

漢方薬も西洋薬も違った観点から高血圧の治療に用いられます。しかし、いずれの薬も患者が快適な生活を送れるよう血圧を安定させることが目的で、いずれの方法が良いかは一概には決められません。一方の薬に決め付けず、自分に一番あった薬を選択することが大切です。

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