漢方薬と肝臓病について
漢方薬を使って肝臓病の治療にあたる方も多く、病院や漢方薬局へ相談に行かれる方も年々増えています。
肝臓病といえば、肝炎、肝がん、肝硬変、アルコール障害などがあげられます。
肝臓は、体内の解毒や、分解、代謝などを行い、非常に重要な内臓器官です。
また、栄養をためておくこともできるので、動物のレバーなどは高い栄養価があると言われていることもご存知でしょう。
この臓器は、自分がいくらひどくダメージを負っている状態でも痛みを訴えることなく黙々と仕事を遂行します。
なので、沈黙の臓器とも言われ自覚症状がないことがほとんどです。
明確な症状が現れた時には重大なところまで進行してしまっている可能性があります。
風邪のような体のだるさがあったりしても自分が肝臓病だと疑う人は少ないでしょう。
強い黄疸が出たり腹水が溜まったりの症状を確認してから、はじめて発覚するケースも少なくありません。
普段からの生活や食生活の改善、適度な養生と運動などの健康な日常生活が予防として必要になってきます。
その上で漢方薬を利用したり、症状の改善に漢方薬を利用したりするのは非常に有効なことです。
肝臓病治療に漢方薬を使用する
肝臓病の治療に利用する漢方薬の一例をあげてみましょう。
まず脂肪肝などの症状には、大柴胡湯(だいさいことう)という漢方薬を使用します。
体力があり、体格のよい方などで処方されることが多いのではないでしょうか。
しかし脂肪肝というものは見た目に肥満に見えない方も多いですので、一概にあてはまるとは言えません。
肝硬変に使われる漢方薬は、茵陳五苓散(いんちんごれいさん)と言うものが使用されることがあります。
これは口が渇きやすかったり、むくみや黄疸の出ていたりするかたにも使われることがあります。
同様に、肝炎に対しても扱われます。
肝臓病治療と漢方薬の注意
漢方薬というのは「この病名にはこの薬」と明確に定義されているものではありません。
症状の状態や本人の体質、見た目、具合などといったものから「証」と呼ばれるものを定めて処方するものを決めます。
なので、この病気によく効く漢方薬だから使ってみよう。と思うことや、
よく効くのでこれを使ってごらんなさい。と他人に薦めたりすることは禁物です。
体質に合わずに効かないばかりか重大な副作用が発生する恐れがあります。
漢方薬と言えば市販されている物もありますし、個人輸入やお土産で手に入れている方もいらっしゃいます。
それだけに身近なイメージでありますし、良さでもありますが大変作用の強い薬だということを認識してください。
最近は中国製品の危険などをよく目にすることがありますが、日本で信用のある薬剤師が処方する漢方薬は日本の厳しい基準を通過しているものだけです。
中国の漢方薬は、その基準が異なっていますので自分のルートで入手して使うようなことは避けましょう。
そして、漢方薬には食べ合わせが存在します。
独自の使用方法で組み合わせたりして使っていますと、最悪死亡に繋がる恐れもあります。
もし、肝臓病治療に漢方薬を使用するというのならば、自己判断せずにしっかり医師の診断に任せ
信頼ある薬剤師に調合してもらい、正しい使用方法で生活に取り入れていくことが重要なことです。