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ユリのなかで食用とされているものは、ヤマユリ、オニユリ、コオニユリ、ハカタユリなどです。なかでもヤマユリは鱗片(りんぺん)が大きく、苦みが少ないので料理ユリともよばれています。 ゆり根のつき汁は、肺を潤し、せきをとめる効果があります。 よく洗ったゆり根をつき、つき汁をお湯で割って飲むと、肺結核や老人性気管支炎に効きます。
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滋養と強壮のはたらきがあるやまいもは、トロロにして食べるのが一般的ですが、せきどめにも効果があります。せきこむとかなりの体力を消耗するので、体力のないお年寄りには、せきをとめ、さらに体力を補うことができる、おろしやまいもは最適です。
すりおろしたやまいもとサトウキビ(シロップあるいはハチミツでもよい)のしぼり汁を1回15ml、1日2回、あたためて服用すると、老人の慢性気管支炎に効果があります。 |
コンブには、かたいものをやわらかくする「軟堅作用」が強く、特にがんこでなかなか治りにくい病気の治療に用いられます。 気管支炎のしつこいせきを鎮めるには、コンブの砂糖漬けがよく効きます。コンブを洗ってたんざくに切り、3回ほどお湯に通します。これに砂糖をつけて、朝晩1枚ずつ食べると、老人の慢性気管支炎によいとされています。1週間ぐらいで効果があらわれます。
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しそは、かぜで寒けや発熱があるときにもよく用いられ、また、せきやたんを鎮めるため、ぜんそくにも有効です。しその葉としょうがを適量まぜ、煎じて飲むと効果があります。 また、いったしその種子10g、いっただいこんの種子10g、からしなの種子5gをついて、適量の水で煎じて用いると、老人の慢性気管支炎や血たんの出るせきにも効きます。3種類そろわないときは2種類でもよいでしょう。しその種子は、紫蘇子(しそし)という生薬で、漢方薬局で購入できます。
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黄色く粘りけがあり、きれにくいたんが出たり、のどが渇きやすい、夏になると具合がわるくなるといった、肺に熱をもつタイプのぜんそくには、ツユクサが効果的です。 これはツユクサに解熱作用があるからです。乾燥させた全草を煎じて飲む方法もありますが、おひたしやみそ汁の具にしてたくさん食べるほうが効果があります。 特に、心臓もわるいというお年寄りにはより効果的です。毎日小皿1杯ぐらいずつ食べましょう。
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クマザサエキスは、炎症をやわらげ、細胞を元気にさせるはたらきがあります。 かぜをひいてのどが痛かったり、鼻汁が出たり、せきがとまらないといったときには、市販のクマザサエキスをうすめて飲むとよいでしょう。 老人の場合には、かぜや気管支炎から肺炎に移行するケースが多いので、かぜかなと思ったら、すぐにクマザサエキスを飲んでおくと悪化を防げます。
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なしのジュースが効きます。すりおろして汁をしぼり、熱があるときはそのまま、寒けがする場合はホットジュースにして飲むとよいでしょう。
にんじんをすりおろしてそのまま食べるか、すりおろしてしぼった汁をとり、さかずきに1〜2杯飲んでも有効です。
れんこんの節の部分を、おろし器ですりおろし、その汁を飲みます。ぎんなんをいって殻をとり、水煮したものにハチミツをかけて食べてもよいでしょう。
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お年寄りの場合は、ただのかぜでも油断は禁物。肺炎にならないように要注意
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●せきは早めに処置を お年寄りは、長いあいだに何度もかぜにかかったり、気管支炎をわずらっているうちに、気管支の粘膜自体が変わってきて、たんができやすくなっている反面、たんを気管支までもち上げる力が弱くなっています。また、肺の中の弾力性も弱くなり、せきをしてもたんのきれがわるく、何度もせきこみます。お年寄りは心臓のはたらきも衰えており、少しの心臓の負担で、肺にうっ血をきたして、せきが出やすくなっています。 長びくせきは、気管支炎や慢性気管支炎にかかっている疑いがあります。また肺結核も考えられます。若いときに肺結核や胸膜炎をわずらった場合には、再発・悪化して胸の中に膿(うみ)がたまる膿胸(のうきょう)という病気にかかることもあります。 いずれの場合も、せきは体力を消耗させます。せきのために夜眠れないとなると、体力が低下してしまいますから、早めの処置が必要です。
●肺炎は重症になりやすいので要注意
お年寄りは肺炎にもかかりやすく、一度かかると治りにくいのが特徴で、死亡率はガン、脳卒中、心臓病についで第4位となっています。 お年寄りに多い肺炎に嚥下(えんげ)性肺炎があります。原因は2つあり、1つは、食事の際に、誤飲した食べものといっしょに病原菌が気管に入るためです。もう1つは、歯みがきを怠ったり、入れ歯の手入れがわるいなど口腔内(こうくうない)が不潔で、のどの奥の粘膜に繁殖した病原菌を就寝中に少しずつ気管から肺に吸いこむためです。これは元気な人でも、寝たきりの人でもかかりやすい肺炎です。
特に食べものの誤飲は、気管に入ったものをむせて吐き出すという反射神経が、お年寄りは鈍っているのでおこりやすいといえます。 こうした嚥下性肺炎を防ぐには、食事はゆっくりと食べ、むせたり、つかえることがないよう注意します。就寝前には歯をみがいたり、うがいをし、入れ歯も清潔にしておくように心がけることも大切です。
老人は体温の調節がうまくいかない、免疫力が低い、呼吸器の機能が衰えているなどの理由によって、かぜにかかりやすい条件が整っています。しかも、免疫力が低下しているので、あっという間に危機に陥ることがありますから十分注意しましょう。
体の反射が鈍いために、かぜをひいても熱が出なかったり、出ても高熱にはならず、油断をしているうちに、どうきや息切れがおこり、呼吸数や脈拍が多くなってあわてることがあります。
肺炎の予防5対策 1 かぜをひかない。特にインフルエンザ流行時には人ごみは避けるのが無難 2 かぜをひいたら小さな異常を見逃さないように。特に老人の肺炎は自覚症状が少ないので、元気がなかったら要注意 3 食べものの誤飲に気をつけ、ゆっくり食べる 4 低栄養だと感染しやすいので、日ごろから栄養状態をよくする 5 適度な運動が必要。日ごろ少しでも体を動かしていると、肺機能の低下が予防できる
●くしゃみをしたとき、肩を3つずつたたいておけばかぜひかぬ くしゃみは体のどこかが冷えているという警告。
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もち米は、体をあたためたり、炎症を促す作用があるため、せき、ぜんそくの人にはタブーです。もちや大福、せんべい、おこわなども同様です。 かぜなどでせきが出るときは、体を冷やす食べものは厳禁です。なす、ブリ、エビ、カニ、柿などを食べすぎないように注意しましょう。タケノコはせきやぜんそくを悪化させますから注意しましょう。 また、食べすぎて満腹になると、せきが出やすくなり、発作もひどくなります。腹八分めを心がけましょう。
●夏は陽(ひなた)、冬は陰(かげ)に行け
暑いまま、寒いままに自然に生活するのが体にいちばんよいという意味。
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