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おろしりんごは、刺激が少なく消化がよいので、離乳食や病人食として最適です。りんごに豊富に含まれるペクチンは、腸の中で乳酸菌の発酵を助け、大腸菌などの繁殖をおさえるはたらきがあるので、下痢どめにすぐれた効果が期待できます。消化不良などで下痢をしたときには、おろしたりんごをあたえましょう。ただし、ガスのたまりやすい子供には、たくさん食べさせないようにします。
●りんごの皮をむくと茶色になるのは? 酸化酵素があるため。これはビタミンCを破壊するが酢や塩水につけると破壊は防げる。
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頭痛のときはこめかみにはる、乗り物酔いにはうめぼしをしゃぶるなど、うめは古くからさまざまな民間薬として用いられてきました。うめのいちばんの特徴は強い抗菌作用、整腸作用です。このため慢性の下痢をはじめ、細菌性の下痢、食べものや薬物による中毒にもとても効果的です。食あたりや、下痢、嘔吐(おうと)、腹痛には、梅肉エキスを少量ずつ飲ませてあげましょう。また消化がよく、栄養価も高いうめ粥を食べさせてあげるのもよいでしょう。
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きゅうりは生で食べると余分な熱を冷まし、熱があって口が渇くときや、暑気あたり、胸がもやもやするときにとても有効です。また、煮て食べればすぐれた利尿効果、解毒効果が期待できます。 子供の熱を伴う下痢には、やわらかめのきゅうりにハチミツをかけたものを食べさせてあげるとよいでしょう。ただし、きゅうりは体を冷やす作用が強いだけに、たくさん食べるとおなかを冷やしすぎて、逆効果になってしまうので要注意です。
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春の七草の代表といえるセリは、熱を伴うせきや、たんを鎮めます。 下痢がつづいて栄養状態がわるく、発育がおもわしくない慢性消化不良の乳幼児は、顔色がわるく、よくお乳を吐いたり、水、またはドロドロ状の便をするのが特徴です。このような小児の吐きくだしには、セリを細かくきざんで煮こみ、そのスープを飲ませるととても効果的です。ただしセリには血を動かす作用があるので、アレルギー体質の子供にはおすすめできません。
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子供の下痢の特効薬として知られるのがぎんなんです。ぎんなん2〜3個をよくいって砕き、粉末状にします。卵の殻に小さな穴をあけて中身を出し、この穴からぎんなんの粉末を入れてアルミホイルで穴をふさぎ、蒸したものを食べるとすぐれた効果を示します。
ぎんなんは生食は禁忌です。必ずオイル漬けにするか、火を通しましょう。子供の場合は、生のぎんなん5〜10個でも、呼吸困難、顔面蒼白、体温の上昇から意識不明に陥ることもあるので注意が必要です。
●ぎんなんの保存法 オイル漬けがいちばん。殻をとり、いってからうす皮をむき、ごま油を注ぐ。3か月後から食べられる。
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ウイキョウは、セリ科の香草で、お菓子の香料やリキュールにも使われます。ほかの香辛料と同様、血行を促して、体を芯からあたためてくれる薬草です。このほかにも、胃腸、腎臓、膀胱(ぼうこう)のはたらきを整えます。冷えておなかがシクシク痛むときや、膀胱炎などの妙薬としても利用されます。 胃腸の冷えから腹部が痛むときや、冷えて消化不良をおこしているような場合には、ウイキョウ入りのお粥をあたたかいうちに食べさせてあげるとよいでしょう。
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冷えておなかが痛むときは、もち米の重湯(おもゆ)を飲ませます。もち米9gに干したしょうが3gを加えて作ります。 吐くときは、しょうがのしぼり汁を水で割ってあたえます。 また、ビフィズス菌入りヨーグルトを食べさせるとよいでしょう。 下痢どめには、陰干しにしたゲンノショウコの煎じ汁が効きます。苦みがないので子供でもだいじょうぶです。
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まず便の色や形状などの状態をチェックしてみましょう。便がやわらかくないか、下痢をしていないか、においがいつもよりきつくないかなどを調べることは、子供の健康状態を知るうえで重要な目安になります。もし下痢ぎみであっても、食欲があって元気なようなら、しばらく様子をみてみましょう。 子供が、吐きくだしなどの胃腸障害をおこす場合は、ほとんどが細菌やウイルスによる流行性感染症が原因です。この場合は、胃に負担をかけない消化のよい食べものを少しずつあたえて、安静にしていれば心配ありません。 ただし、ひどく痛がったり、ぐったりとしているときには注意が必要です。急性胃腸炎、クレチン症、先天性巨大結腸症(けっちょうしょう)、腸閉塞(ちょうへいそく)、腸捻転(ちょうねんてん)などの場合も考えられるので、早めに医師の診断を受けましょう。 子供は自分の症状を的確に説明できないので、子供の表情、機嫌がよいかわるいかを判断の目安にします。
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下痢や嘔吐(おうと)のあるときは、アイスクリームや冷たいジュースは欲しがってもあたえないようにしましょう。食事は刺激が少なく、消化のよいものを少量ずつ食べさせ、次のような体を冷やす作用をもつ食品群はなるべく避けるようにしましょう。
トマト、ごぼう、ほうれん草、なす、きゅうり、とうがん、セロリ、タケノコ、だいこんなどの野菜類。アサリ、シジミ、カキなどの貝類。すいか、柿、メロン、うり類などのくだもの。こんにゃく、ハトムギなども、体を冷やすので避けます。
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乳幼児の便秘には少量の砂糖が効果的
赤ちゃんの便秘とは、1日1回便が出ていても、その便がかたくコロコロとしていて、苦しそうなときのことをいいます。このような場合には、ミルクに少しだけ砂糖を加えて飲ませるとよいでしょう。砂糖が腸内で発酵し、緩下剤(かんげざい)として作用するので、便をやわらかくして、便秘を解消します。また、ミルクを飲む量が少ないと、赤ちゃんは十分な水分が補給できずに便秘をおこしがちなので、果汁などをあたえましょう。
離乳した幼児の便秘には、バナナを食べさせるとよいでしょう。バナナは腸を潤すはたらきがあるため、毎日1本食べさせると、腸の乾燥を防いで便秘を治します。
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