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気持ちがおちつくしそ
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刺身に添えてあるしそを食べずに残している人をよくみかけますが、非常にもったいないことです。しそは心身両面によい効果をもたらす、大変すぐれた野菜です。
さまざまな薬効をもつしそは、神経症状が強いヒステリーぎみの人に用いる漢方薬にも処方されているほどです。この効果は、更年期障害による精神不安にもよいものです。しそに、ビタミンB1の効果を高めるねぎを加えたねぎしそスープがおすすめです。イライラを鎮め、気持ちをおちつかせます。
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れんこんは、神経の興奮を鎮める鎮静作用があるほか、血管の弾力性を強化して、末梢(まっしょう)への血行をよくするはたらきがあります。さらに、れんこんに含まれているタンニンには収れん作用があるため、止血の効果があります。これらのはたらきは、更年期の月経不順や不定愁訴(ふていしゅうそ)にも効果があります。 イライラする人は、れんこんを常食するとよいでしょう。また、閉経期の不正出血や過労に悩む人は、食塩を少々入れたれんこんのしぼり汁を飲むと効果的です。
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サネブトナツメの種子を乾燥させたものを、漢方では酸棗仁(さんそうにん)といいます。精神不安を鎮め、不眠や多汗を治すはたらきがあるため、このような症状をもつ更年期障害の人におすすめです。酸棗仁粥を食べるとよいでしょう。(お粥の作り方の項も参照) また酸棗仁酒も効きます。広口びんに酸棗仁50gと焼酎1リットルを入れ、密閉して、冷暗所に保存します。10〜15日後、氷砂糖50gを加え、3か月くらい熟成するのを待ちます。酸棗仁をこし、さかずき1杯を1日2〜3回飲みます。
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コウホネとはカワホネのことで、スイレン科の水生植物です。川に生え、根茎が骨に似ているところから、この名がつきました。 このコウホネは、昭和初期に縁日などで、「婦人血の妙薬」という名で売られていたことがあります。妙薬とは嘘ではなく、婦人病、更年期障害など女性特有の諸症状に効果があります。薬効があるのは根茎の煎じ汁です。根茎(生薬名は川骨<せんこつ>)5〜10gを煎じ、1日3回に分けて飲みます。
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ハブ茶は、エビスグサの種子をいってお茶にしたものです。エビスグサの種子は、生薬名を決明子(けつめいし)といい、強壮、健胃、整腸、緩下(かんげ)、利尿などのさまざまな作用があるため、更年期障害に効果的です。特にどうき、肩こり、めまい、耳鳴り、冷や汗、ほてりなどの症状が出はじめた人にむいています。 更年期障害には、エビスグサの煎じ汁がおすすめです。 なおハブ茶だけでも、健康増進や高血圧予防になるほか、便秘にも効くので試してみましょう。
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サフランは、ヨーロッパ、南アジア原産のアヤメ科の植物です。この花の雌しべを乾燥させたものは、ヨーロッパでは古くから料理に使われており、なかでもブイヤベースやサフランライスは有名です。
またサフランは、薬草としての歴史も古く、古代エジプトのころにすでに薬として登場しています。サフランはイライラ、不眠に効くほか、月経痛や月経不順、更年期障害、冷え症や頭痛にも効果があり、まさに婦人病の妙薬ともいえるものです。サフラン茶を飲むとよいでしょう。 |
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山地、平地に限らず、いたるところに生える多年草です。秋には小さな果実をつけますが、これが熟したときに少しでもふれると、中から黒い種子が飛び出します。この種子が人間の靴底などについて運ばれ、繁殖します。 このオオバコの煎じ汁が、更年期障害に効果があります。日干しにした全草10gに、同じく日干しにしたヨモギの葉5gを加え、450mlの水で半量になるまで30〜40分くらい、弱火で煎じます。これを1日3回に分け、毎食前にあたためて飲むとよいでしょう。
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閉経後の女性が特にとりたいのはカルシウムです。これは、女性ホルモンの分泌量が激減すると、とたんに骨の成長がわるくなるため。牛乳、チーズをはじめ小魚や海藻類で骨粗しょう症を予防しましょう。 ほうれん草は、カルシウムを含むほか、更年期による高血圧症、便秘、頭痛、めまい、ほてりなどに効果的です。 ゆり根も、精神不安をはじめとした諸症状によく効きます。ゆり根7個を水に一昼夜浸し、翌日、水の量が茶碗1杯分になるまで煮つめ、カスをとり去ります。これに卵黄を入れ、1日2回に分けて飲みます。 クマザサエキスはホルモンのバランスを保つはたらきがあるので、更年期障害に効果的です。毎日、つづけて飲むとよいでしょう。 クチナシは、精神不安で、眠れない、胃腸の調子がわるいなどの症状がある人に効果があります。クチナシの実(生薬名は山梔子<さんしし>)約10gを450mlの水で半量になるまで弱火で煎じます。これを1日3回に分けて、毎食前に温服すると効果があります。
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お粥は老人や胃の弱い人をはじめ、ダイエットにもおすすめ。
ここでは、基本的な作り方とコツを紹介しましょう。
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まず米を洗います。洗う際、手早く水を捨てないとぬか臭くなるので注意します。
洗ったあとは、ざるに上げ、1時間ほどおいて、しっかり水けをきることも大切です。
お粥を作るためのなべは土なべ、それも行平(ゆきひら)土なべが理想的です。
熱がやんわり回るため、長時間弱火で炊くお粥に最適です。ない場合は厚手なべでもかまいません。
炊き方も大事です。なべに米と水を入れ、火にかけて沸騰したら弱火にし、あとは吹きこぼれないように数回に分けて差し水をしながら、ゆっくりコトコト炊きます。途中でかきまぜると、粘りが出て、のりのようになってまずくなるので、十分気をつけます。
体調が思わしくないときは、薬粥にするとよいでしょう。お粥を前述のように炊いたあとで、症状に効く材料をすばやく入れて2〜3度煮立たせます。こうして薬効エキスがしみ出るのを待ってから食べます。
忙しい人や、1回ごとにわざわざ作るのが面倒な人は、多めに作り、1回分ずつ冷凍しておき、食べるときに解凍するとよいでしょう。
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●薬粥にあうおもな材料と薬効
材料 |
薬効 |
あずき |
リウマチ |
クコ |
冷え症 |
ごぼう |
脳卒中 |
サネブトナツメ |
更年期障害 |
ハトムギ |
糖尿病 |
やまいも |
スタミナ不足 |
緑豆 |
夏バテ |
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不感症とは、性欲はあるのに、性交の際に興奮や快感(オルガズム)を覚えないことをいいます。 原因は、性器の器質的疾患や精神疾患などによる場合もありますが、多くはパートナーへの愛情喪失、妊娠への不安などといった心理的葛藤によるものと考えられます。また小さいときの異常体験(暴行によるショック、性行為の目撃)から性交嫌悪に陥り、不感症につながるケースもあります。そのほか性生活環境の不良、性的無知も原因になります。 器質的疾患の場合は、その治療をすればよいわけですが、精神的なものが原因している場合は、精神分析療法が必要です。 次の方法を試してみることもおすすめします。 ●ナルコユリ酒 ナルコユリの根茎は薬用人参に匹敵するほどの滋養・強壮効果があり、不感症に効果的です。就寝前に、さかずき2杯飲みます。 ●ぎんなんの甘煮 ぎんなんは強壮・強精効果が著しい食べものです。甘く煮たものを1日6〜7個食べると、女性は不感症克服、男性は精力増強に役立ちます。 ●入浴後の耳かき 耳には女性器の機能を亢進させるツボが集まっています。お風呂上がりのゆったりした気分のときに刺激すると、効果バツグンです。 しかし不感症は個人差もあるので、あまり気にしないことです。神経質になると、かえって逆効果です。
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更年期とは、女性が成熟期から老年期へ移る時期をいいます。つまり閉経前後の時期、45〜55歳くらいのあいだのうちの2〜3年間をさします。 更年期になると卵巣(らんそう)のはたらきが低下します。すると卵巣機能を回復させようと、脳下垂体(のうかすいたい)から性腺(せいせん)刺激ホルモンが多量に分泌されるようになります。これがホルモン全体のバランスをくずす結果となり、自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)をおこすようになるわけです。 症状は、頭痛、腰痛、肩こり、めまい、どうき、冷え、のぼせ、食欲不振、精神不安、イライラ、不眠など、人によってさまざまです。またその程度も、個人差が大きく、仕事や趣味などで生きがいをもつ人ほど、症状が軽い傾向にあります。 更年期は誰にでもあるのだということを認識し、あまり神経質にならず、リラックスして乗りきる心構えが大切です。 そのうちホルモンのバランスがおちついて、自律神経が順応するようになれば、症状は自然に消えていきます。
●47の生みじまい 48の恥かき子 この年で出産をするのは恥という意味だが、本当は高齢出産は危険だと、体を案じた諺。
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更年期に入ったら、食べるものには特に注意をはらわなくてはいけません。食べものによっては、更年期障害の症状をひきおこし、悪化させる原因をつくることになるからです。 まず興奮性の食べものはひかえましょう。なかでもコーヒーや紅茶などカフェインの入っているもの、わさびやカラシなどの香辛料の多食はよくありません。また血液をよごす食べものも避けなくてはいけません。たとえばエビ、カニ、ウニ、赤貝、平貝、ホタテガイ、あくの強い山菜類は禁物です。 そのほか、タケノコも多食をひかえたい食品です。
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更年期障害は、本人の性格や精神状態、周囲の環境が大きく影響します。症状を改善するには、日ごろから次のことを心がけましょう。 第一に、生きがいをもつことです。仕事でも趣味でもかまいません。目的をもって打ちこめ、そこに自己の存在と価値を見いだせるような対象を最低ひとつはもつようにします。 さらにありのままの自分を出せる場をもつことも必要です。たとえば嘘のない、けんかのできる家庭、または何でも話せるような親しい友人をもつことです。孤独や孤立はできるだけ避けます。そして楽しいときには思いきり笑う、悲しければ徹底的に悲しむことです。感情を内におさえてしまうのはよくありません。
また、十分な睡眠や適度な運動も大切です。日ごろからスポーツをしたり、積極的に歩くようにしましょう。食事には、精神を安定させるビタミンB1やカルシウム、血行をよくするビタミンEなどを十分にとり入れるとともに、バランスのとれたかたよらない食事を心がけてください。
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●年がクスリ 人間は年をとれば、さまざまな経験から分別がつくようになる。年老いてはじめて健康がいちばん大切と気づくはず。
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