|
脱毛の特効薬、栗
|
|
お菓子や炊きこみごはんの材料として親しまれている栗は、胃腸をじょうぶにしたり、血行をよくします。民間薬としては、葉を煎じたものをかぶれにつけたり、やけどの治療に使ったりします。
脱毛症には、栗のイガの黒焼きを用います。栗のイガ10個分の黒焼きを粉末にして、200mlのごま油とあわせてよくかきまぜます。1回分を小さじ1〜2として、1日2〜3回、地肌にすりこみます。
|
香辛料として使えば、体全体の血行をよくします。
また、直接頭皮を刺激する方法もあり、さらに有効です。これはとうがらしチンキといい、古くからの脱毛症の民間療法として知られています。とうがらしを薬用アルコールに漬け、1週間ほどおきます。これを頭皮に塗り、すりこむようにマッサージします。
ただし、かぶれやすい人は注意しましょう。
|
葉も果実も皮もよく効くアオギリ
|
|
円形脱毛症には、アオギリの果実の黒焼きが効きます。黒焼きにした果実を粉末にし、ごま油少々でねります。これを、毎日2〜3回、患部にすりこみます。長期間、根気よくつづけることが肝心です。 葉は、生か、夏にとって日干しにしたものを使います。どちらも水で煎じ、その汁を頭皮にすりこんだり、髪を洗うときに使います。 アオギリの樹皮は生のものを使い、すりつぶして汁をとります。これを、ヘアートニックのかわりにすると、抜け毛が減り、発毛が促進されます。
|
|
|
毛はえ薬で有名なカラスビシャク
|
|
薬効は地下の球茎にあり、生薬では、半夏(はんげ)という名前です。夏、花の咲いている時期に球茎を掘り採ります。根と外皮をとり除き、水洗いして、日干しにします。 円形脱毛症には、日干しにした球茎の粉末を患部につけ、よくマッサージします。これは、まゆがうすくなったときにも効果がありますが、刺激の強い生薬なので、目に入らないよう、十分注意してください。
|
髪を洗うときに使うとよいのがだいこんの葉です。まず葉を干して煮ます。この汁に、しょうがのおろし汁を数滴たらし、これで髪を洗います。 クコの生の葉を煎じた汁も効きます。 センブリの乾燥したもの10〜15gを200mlの焼酎に漬けこみます。1〜3か月おいたものを、1日1回、少量を患部につけ、マッサージしたり、リンスにします。水で濃く煎じた汁を使ってもよいでしょう。
|
親指大から10円玉くらいの大きさで、丸く毛が抜けます。原因ははっきりしませんが、ストレス、自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)、ホルモンの異常、自己免疫などの説があります。 痛みやかゆみなどの前ぶれがまったくないため、本人は気づかず、親しい人や理容師、美容師などに見つけられることが多いようです。 ひとつだけできる単発型、いくつもの脱毛の場所がつながって、頭全体に広がる全頭型があります。汎発型(はんぱつがた)といって、頭髪だけでなく、まゆ毛、まつ毛、ヒゲ、体毛まで抜けて全身に広がるケースもあります。 小さいものや、数が少ない場合は、放置しておいても数か月で治りますが、範囲の広いものは数年以上かかることもあります。 医師による治療は、ステロイド剤を中心にした外用薬や物理化学治療などが行なわれます。 自宅では、ブラッシングなどの刺激や食事の工夫で血行をよくしたり、ストレスをとり除くことを心がけましょう。
●1日50〜60本の抜け毛は心配ない 頭の毛の数は約10万本。このうちの15%前後は抜けかわる毛なので少々の抜け毛は心配ない。
|
|
●黒焼きにする
民間薬でよく知られる黒焼きは、カビが生えたり虫がついたりしないため保存に便利です。薬草に限らず、食品にも使われる方法です。
家庭で手軽に黒焼きにするには、フライパンを利用します。
図の要領で作りますが、必ず冷めてからふたを開け、粉末にして湿気を入れないように密閉容器に保存します。すぐにふたを開けてしまうと、せっかくの蒸し焼きが燃えて灰になってしまうので気をつけましょう。
ドクダミやしその葉、ユキノシタなどうすい葉を黒焼きにする場合は、和紙をぬらして材料を包み、いろりの灰の中に埋めておいてもできます。
そのほか、焼き網でじかに焼く方法もあります。たとえば、みかんを焼き網にのせ、皮がまっ黒になるまで弱火でじっくり焼きます。熱いうちに果肉のほうを食べると、かぜの初期に有効です。この方法はいちばん簡単ですが、保存がききません。
外用として、アカザの花と果実は子供の湿疹に、キハダはうちみやねんざ、なすのヘタは歯痛、歯槽膿漏(しそうのうろう)に効きます。飲用として、じゃがいもは胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍、柿のヘタは血尿に効果的です。
●黒焼きにする薬草、食べもの
アカザの
花と果実 |
子供の湿疹に少し厚めに塗る
利尿、動脈硬化症予防には飲用 |
柿のヘタ |
しゃっくりには飲用
尿が気持ちよく出ずに血がまじるときも飲用 |
キハダ |
うちみやねんざに外用 |
ニワトコ |
うちみやねんざに外用 |
うめぼし |
かぜの初期に飲用 |
なすの皮とヘタ |
歯痛、歯槽膿漏、口内炎には塗る。
胃腸病には飲用 |
じゃがいも |
胃潰瘍、十二指腸潰瘍に茶さじ1杯ほどを水で飲用 |
りんご |
かっけ、腎臓病のむくみに飲用 |
すいか
の皮 |
口角炎、口内炎に塗る |
みかん |
かぜの初期に食べる |
|
|
|