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昔、中国の名医李東垣(りとうえん)が「石のようにかたくなったものはコンブを用いなければとり除くことができない」といいましたが、コンブにはかたいものをやわらかくし、かたいしこり状のはれものを治すはたらきがあります。そのほか、水分代謝をスムーズにする作用があり、むくみやはれに有効です。このはたらきが、歯ぐきがはれて痛がゆい、歯槽膿漏(しそうのうろう)の初期の症状によく効きます。歯ぐきがはれて痛いときは、コンブの黒焼きを、こすりつけるように塗ります。
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なすには、痛みをとめ、古血をとり除く効果があります。 黒焼きは、ヘタ、皮、古漬けなどをアルミホイルに包んで、オーブントースターなどで焼くと手軽にできます。古漬け以外は、塩をまぜて、なすの歯みがき粉にします。歯ぐきをよくマッサージするようにみがくと、効きめが増します。
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歯ぐきが痛いときに、ハコベの青汁と塩で歯をみがくことは昔から伝えられてきました。ハコベのもつ痛みどめの効能と塩のもつ殺菌作用、歯ぐきをひき締める作用を利用したものです。
ハコベの歯みがき粉で、歯みがきと歯ぐきのマッサージを、朝晩2回つづけるとよいでしょう。
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どこでも見かけるユキノシタの葉は、痛みをとり、はれをおさえる作用があります。 新鮮な生の、裏が淡緑色をした葉を1枚水洗いします。火にかざして、やわらかくしたものを直接歯ぐきにはるか、塩もみしたものをまるめて、歯ぐきをよくマッサージすると効果があらわれます。
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昔から、ウナギに必ずついてくるサンショウは、健胃・整腸剤として有名ですが、はれや痛みをおさえる作用にもすぐれています。 歯槽膿漏(しそうのうろう)にはサンショウの酢煎じ汁を使います。果皮を酢で煎じ、歯ぐきにつけたり口に含んで少しずつ飲んでも、痛みをおさえる効果があります。
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塩には殺菌、収れん作用があり、炎症をとめ、歯ぐきの組織をひき締めます。人さし指の腹に塩をつけ、朝晩、歯ぐきをたんねんにマッサージします。クマザサエキスで歯ぐきをマッサージすると、クロロフィリンのはたらきによって炎症、痛み、膿(うみ)がとれます。また、口臭予防にも有効です。
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歯槽膿漏(しそうのうろう)は、歯を支える歯ぐきに炎症がおきて、歯のまわりに血や膿(うみ)がたまる病気です。悪化すると歯が浮いてきたり、グラついてきます。はじめのうちは、ほとんど自覚症状がなく、かなり進行してから発見される例が少なくありません。 歯槽膿漏のいちばんの原因は、歯みがきを怠ったためにできる歯垢(しこう)や歯石です。歯垢や歯石につく細菌が、歯ぐきに刺激をあたえるために炎症がおこります。 はじめは歯ぐきがむずがゆくなったり、歯をみがいたときに、少量の出血があるぐらいで、痛みはありません。よく見ると歯ぐきが赤くはれていたり、指で押すと膿が出たりします。病気が進むと歯がグラグラと動くようになり、冷たい水がしみて、口臭がひどくなります。 治療は歯科医に歯垢、歯石をとり除いてもらい、マッサージして歯ぐきの血行を促します。食事はビタミンCの豊富な食品をとるようにしましょう。かたいものは、よくかんで食べる習慣をつけることも大切です。
●白い歯は健康? 黄色みをおびた歯のほうが健康で、輝くような白い歯は栄養不足の弱い歯といえる。
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