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むくみの特効薬すいか
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腎臓の機能を活発にして尿毒症を防ぐ効果があります。むくみやすい人や、腎炎(じんえん)で熱があり、尿が出にくくなったときに効果的です。
夏には生のまま食べたり、ジュースにして飲みますが、体を冷やすので、冷え症の人は食べすぎに注意しましょう。出盛りのすいかを使って、すいか糖を作っておくと、夏以外の時期に便利です。冷え症の人は、お湯で割って飲みましょう。
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あずきにはすぐれた利尿作用があり、むくみがあるときに最適の食べものです。 むくみが強いときには、あずきの煎じ汁が効果的です。1日量10gを600mlの水で半量に煎じた汁を3回に分けて、空腹時にあたためて飲みます。 また、あずき、米、大麦で炊いたお粥を、主食として1日2回食べても効きます。 麦ごはんに、甘みをつけずに煮たあずきを添えて食べるとより効果的でしょう。
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むくみをとるには、乾燥させて3年以上おいたものが薬効が高いといわれます。血圧を下げる効果もあるので、腎臓病の人には最適です。1日分5gを600mlの水で煎じます。半量まで煮つめた汁を3回に分け、空腹時にあたためて服用します。
そら豆の皮の煎じ汁は、保存がきき、慢性腎炎(じんえん)に効果的です。1日3回、1回に20mlずつ飲みます。
利尿効果があるキササゲ
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薬効部分は果実で、さやに含まれる無機質のカリウム塩に利尿作用があります。腎炎(じんえん)でむくみがあるときに効きます。 秋に、長さ30cmにもなる果実がつくので、完熟してさやが割れる直前に採り、日干しにします。 果実の煎じ汁は、10gを1日量として、水400mlで半量まで煎じ、3回に分けて飲みます。食前の服用が効果的です。
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野山に自生する樹木で、薬用に使われるのは、おもに果実とつる状の茎の部分。利尿効果のあるカリウム塩が含まれています。 つるの煎じ汁は、夏の開花期に採り、日干しにしたもの10〜15gを1日分として煎じ、3回に分けて飲みます。 果実の煎じ汁は、1日に15gを360mlの水で半量まで煮つめます。これを毎食30分前に服用します。
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葉は生のときは苦く、お茶のような製法で発酵させ、乾燥するとサッカリンの2倍の甘みが出ます。これはフィロズルチンという成分の効果で、煎じた液にはタンニンも含まれ、甘味料、防腐剤としても使われていました。 市販の乾燥したアマチャひとつかみくらいを約1リットルの水で煎じて、半量まで煮つめたものを、お茶がわりに飲みます。
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利尿作用があって、腎臓病の薬になるのは、ヒゲの部分です。生薬名は南蛮毛(なんばんもう)といいます。尿の出がわるく、むくみがあるときに効果的です。 自分で作る場合は、収穫のときにヒゲをむしり、陰干しにします。乾燥したもの8〜10gが1日分で、煎じて服用します。 芯にも同様の薬効があり、実をとったあとの芯を砕き、煎じて飲みます。ヒゲといっしょに煎じても効果があります。
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あずきは、甘みをつけずに煮て、煮汁もいっしょに食べるのが最適です。緑豆(りょくとう)は、あずきと並んで利尿効果の高い豆です。1日分の分量は30gで、これを煎じて飲みます。黒豆を煮て常食してもよいでしょう。 とうがんは、すいかと同じ瓜の仲間で、生で食べたときの効果も同様です。スープや煮ものにすれば、冷え症の人も安心です。 柿やきゅうりにも利尿作用があります。体を冷やす性質があるので、食べすぎに注意します。 煎じて飲むものには、ハトムギやオオバコなどがあります。ハトムギは、殻をむいたもの30gを煎じ、お茶がわりに飲むとむくみに効きます。オオバコは、生なら根ごとすりつぶして、お湯かあたためた酒で割り、飲みます。陰干しで乾燥させたものは、葉は10g、種子は5gを1日分として煎じ、3回に分けて、空腹時にあたためて服用します。 腎臓の病気全般に効くのが、カキドオシです。葉と茎の乾燥したもの15gが1日分で、煎じ汁を3回に分けて飲みます。
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●散歩する臓器って?
臓器が勝手に位置をかえることがある。腎臓の場合は遊走腎(ゆうそうじん)といって、痛むこともある。特に女性に多い。
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血液をろ過する大切な器官だけに、病中・病後のケアが重要
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腎臓は、脊柱(せきちゅう)の両側に左右ひとつずつあるそら豆のような形の臓器で、大きさは大人の握りこぶしくらい。重さは約150gです。 腎臓には糸球体(しきゅうたい)という組織があり、血液をろ過し、尿をつくりだしています。同時に、血液中の塩分などの成分を正常に保ち、老廃物や有毒物質を、尿といっしょに排泄させたり、尿の量を調節して、体内の水分を一定に維持しています。 こうしたはたらきに障害が出ることを、大きくまとめて腎臓病といいます。 腎臓に炎症がおきるものが腎炎(じんえん)で、1年以内でおさまるものを急性腎炎、それ以上つづく場合を慢性腎炎といっています。慢性腎炎は、急性から移行するものと、自覚症状のないまま慢性化するものがあり、後者の代表的な例がIgA腎症(アイジーエーじんしょう)とよばれるものです。 慢性腎炎が治りきらずに悪化したものが、腎不全です。腎臓の機能が低下して、内分泌の異常、末梢神経(まっしょうしんけい)、筋肉、心臓や血液、骨にまで障害があらわれます。 さらに病気が進むと、尿毒症(にょうどくしょう)がおこり、ひどくなると、脳細胞がおかされたり、意識障害があらわれたりします。 また、いろいろな原因で、糸球体に異常があらわれるものを、ネフローゼ症候群といいます。 症状には共通のものが多く、代表的なものは図のとおりです。 肝心なのは早期発見で、何らかの症状が出たら、医師の診察が必要です。診断には、尿、血液、腎機能などの検査が行なわれます。 治療の中心は、安静を心がけることが第一で、次に食事療法が重要です。特に、塩分の制限や高たんぱく質の食品のとり方が治療に大きく関係します。
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●1日の血液ろ過量は?
糸球体(しきゅうたい)がろ過する血液は、1日に180リットルだが、ほとんどが体内に再吸収され、尿になるのは1%未満。
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腎臓病の食事療法の最大のポイントは、たんぱく質の制限です。腎臓に負担をかけないためには、1日の摂取量は体重1kgに対して0.5g以下におさえます。 むくみや高血圧があるときは、塩分の制限も必要です。味つけに使う塩だけでなく、調味料や加工食品に含まれる塩分にも気をつけましょう。みそ、しょうゆ、ソース、うめぼし、ハム、ソーセージ、ベーコンなどは、塩分をひかえた製品を使うようにします。
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