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肝炎の特効薬シジミ
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良質のたんぱく質を含み、造血作用のあるビタミンB12をはじめ、ビタミンB2、カルシウム、鉄も豊富で、肝機能の向上にも効果的です。そのうえ、脂質が少ないので、肝臓には理想的な栄養です。
シジミは、1年中いつでも使えるので、みそ汁やスープなどにして常食しましょう。油は使わず、味つけはうすめにします。 黄疸(おうだん)によく効くメニューとしてシジミとキンシン菜のスープがあります。シジミの煮出し汁とキンシン菜のもどし汁をあわせ、キンシン菜、にんじん、とうがんなど、それぞれ黄疸に効果のある野菜を入れて煮ます。
また、より高い薬効を得るために、シジミエキスを利用してもよいでしょう。二日酔いや悪酔いの薬にもなります。
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黄疸(おうだん)が出たときに、おろしりんごとハチミツで治す方法があります。 りんご1個をすりおろしたものに、ハチミツを加えて食べます。ただし、ほかのものは一切食べずに、このりんごハチミツだけを1日5回くらいとります。
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泥臭く、ぬめりが多いので、食べず嫌いの人が多いのですが、鉄、カルシウム、ビタミンB1・B2、良質のたんぱく質を多く含みます。
利尿・解毒作用があり、黄疸(おうだん)や二日酔いにも効果があります。滋養・強壮効果も強く、肝機能の回復にぴったりです。 旬は夏です。生きたままを買い、臭みを抜くため、2〜3日水に放してから調理します。 柳川なべ、ドジョウなべなど、煮て食べます。
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カルシウム、ビタミン類が豊富な、ムラサキ科の多年草です。特にビタミンBが多く、造血作用が肝臓病に効果的です。 乾燥させ、粉末にしたものが市販されていますから、それを服用したり、家庭で栽培すれば、新鮮な青汁を作って飲むこともできます。 自分で育てる場合は、農薬や化学肥料を一切使わないこと、花を咲かせずに根分けすることが大切です。
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炎症を鎮める作用があるので、肝臓の炎症が原因でおこる黄疸(おうだん)にも効果があります。 かぜや扁桃炎(へんとうえん)、せき、たん、暑気あたり、糖尿病の初期にも効きますが、体を冷やすので、悪寒があるときや、冷え症の人、胃腸が冷えやすい人、お産のあとは食べすぎてはいけません。
しぼり汁や煎じたもの、煮たものなどが使われますが、黄疸にはなしの酢漬けが効きます。
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中国野菜で、栄養価が高く、特に鉄を多く含みます。そのため、貧血や、出血性の病気の治療によく用いられます。炎症を鎮め、利尿作用もあるので、黄疸(おうだん)やむくみにも効果があります。 黄疸には、キンシン菜30gを羊肉といっしょに煮たり、シジミとスープにして食べると効果的です。また、根を煎じた汁にも効きめがあり、利尿作用があるのでむくみがとれます。
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緑豆(りょくとう)は、あずきよりひとまわり小さい緑色の豆で、春雨の原料になります。体内の熱をとったり、解毒作用、利尿作用があるので、解熱、解毒、むくみ、口の渇きの解消に効果があります。 肝硬変による腹水には、緑豆30g、キンシン菜20g、ナツメ(生薬の大棗<たいそう>)20gを400mlの水で半量に煮つめて、うす味のスープを作って、1日2回飲みます。緑豆は、中国料理材料店で購入することができます。
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むくみがあったり、肝硬変で腹水がたまったときは、専門医の治療の補助として、食事で症状をやわらげましょう。 とうがんは、すぐれた利尿作用があり、尿を出し、腹水を軽くするのに役立ちます。 ただし、冷え症の人、下痢をしやすい人、ふだんから排尿回数の多い人にはむきません。
腹水には、とうがんのつき汁を飲みます。60mlずつ、1日3回服用します。むくみには、煮て食べたり、煎じた汁を飲むとよいでしょう。
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古い血をとり除き、肝臓の機能をよくする作用があって、二日酔いの口の渇き、肝臓病の腹水にも効果があります。 原産地の中国では、古代から肝臓のはたらきを補うものとされ、最も重要な5つのくだもののひとつに数えられています。果肉だけでなく、種子の殻をとったものも薬用に使われます。 新鮮なすももを食べると、利尿効果が促進され、尿を出し、肝硬変による腹水を軽減させます。
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花や種子に薬効があり、煎じて飲むと、肝臓のはたらきをよくして肝炎や黄疸(おうだん)を鎮めます。 かぶの花は春に採り、陰干しにしたものをふるいにかけ、細かくして使います。1日分10〜15gを600mlの水で煎じ、半量になったものを3回に分けて服用します。 かぶの種子は、干さずに生のままをすり鉢ですり、粉末にします。1日10gを水600mlで半量まで煎じ、3回に分け、あたためて飲みます。
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肝臓病のむくみには、利尿作用のあるビワの葉や種子の煎じ汁が効きます。 特に葉は、お茶がわりに飲みつづけると、肝機能が回復します。夏に採った葉をよく洗って、葉の裏の毛は、たわしで落とします。1週間ほど陰干しにしたあと、手でもんで細かくして保存します。飲み方はひとつまみをきゅうすに入れ、熱湯を注ぎます。 種子も夏に採り、日干しにしたもの5gを1日分として、600mlの水で煎じます。半量になったものを3回に分けて飲みます。
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薬効があるのは、茎、葉、花で、解熱、利尿の作用があり、発熱性の黄疸(おうだん)にも効きます。最近の研究で抗菌作用や、炎症を鎮め、肝臓の機能を回復させるはたらきが明らかになっています。生薬では茵ちん蒿(いんちんこう)といいます。 花の咲いているときに、茎から採って、陰干しにしたものを煎じて飲みます。 カワラヨモギ8gにクチナシの実(生薬名は山梔子<さんしし>)3gと大黄(だいおう)1gを500mlの水で200mlになるまで煎じたものを茵ちん蒿湯といい、これも黄疸に効きます。
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漢方では、肝臓病の症状を4つに分類して、それぞれにあわせ、効果的な食事療法をすすめる方法があります。 肝血(かんけつ)不足とは、肝機能の衰えによるめまいや疲れで、クコの実やキンシン菜をスープにして飲んだり、レバー、プルーン、ローヤルゼリーのような造血作用のあるものを、多く食べると効果があります。 たばこや飲酒の量が多く、太りぎみの人によくみられる、発熱、顔や目の赤み、吐血、便秘、耳鳴りなどは、肝火上炎(かんかじょうえん)といいます。しいたけ、だいこん、柿、セリ、すいかを食べたり、菊花を煎じて飲むとよいでしょう。 肝気うっ血は、精神的なストレスからくる胸の痛み、不眠、嘔吐(おうと)のような症状です。きんかん、ナツメ、ハチミツ、緑豆(りょくとう)などが適しています。玄米、緑豆、ナツメで作るお粥は、体調をよくする効果もあります。 肝硬変には、緑豆、キンシン菜、ナツメを煎じます。食べものでは、アサリ、シジミ、アユ、ナマコ、スッポンなどが効きます。そのほか、黄疸にはタニシを酒で煮たものやセリの煎じ汁やつき汁が効果的です。
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急性肝炎は消化がよく、食べやすい栄養食をとる 慢性肝炎は高たんぱく質・高ビタミン・高ミネラル食を
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GOT、GPTは、肝細胞のなかのトランスアミナーゼという酵素の一種で、いずれも略称です。肝臓に障害がおきて、肝細胞が壊れると、その細胞から血液中に出てきます。数値が高いのは、肝臓病のサインです。
γ(ガンマ)-GTPは、アルコールに反応する酵素で、飲酒によって数値が上昇します。80以上の数値は、アルコール性の肝臓病の疑いがあります。
・GOTの正常値 5〜40単位
・GPTの正常値 5〜35単位
・γ-GTPの正常値 0〜40単位
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急性、慢性とも、高たんぱく質の食事と安静を心がける
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肝臓病には、急性、慢性の肝炎、脂肪肝、肝硬変などがあります。 急性肝炎は、原因となったウイルスによって、A型、B型、C型やそのほかの型に分類されます。 慢性肝炎は、急性肝炎が完治せずに、6か月以上肝機能が低下したままになったり、肝臓がはれて、炎症がつづく状態です。 急性肝炎の10%が慢性肝炎になり、その数パーセントが肝硬変になり、さらにその数パーセントが肝ガンに進行します。つまり、急性肝炎の時期に完治させることが大切です。 肝臓の細胞に中性脂肪がたまるのが脂肪肝です。肝臓が肥大し、機能が低下します。原因の7割は肥満とアルコールです。 肝硬変は、ウイルス性肝炎が進行することが多く、長年の多量の飲酒からアルコール性肝炎となり、悪化しておこる場合もあります。 肝臓病のうち急性肝炎、慢性肝炎とも高たんぱく質の食事と十分な安静をとることが大切です。炎症をおこしたり、長期間にわたってアルコールを飲みつづけることによって破壊されてしまった肝細胞を助け、再生を促すためには、十分なたんぱく質を補給しつづけなければならないからです。 特に慢性肝炎は長びくことが多いので、食事にも工夫が必要です。基本は高たんぱく質、高エネルギーですが、あまりかたよりすぎると栄養のとりすぎになり、肥満になるおそれもあります。高栄養食品をあくまでもバランスよくとることが大切です。 急性肝炎は初期には吐きけ、発熱、食欲不振などの症状で十分に食べられない場合があります。病気の回復にしたがって良質なたんぱく質をふやしていきましょう。 良質なたんぱく質とは、人体に欠くことのできない各種アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質で、代表的な食べものとしては牛乳、チーズ、卵、鶏肉、牛肉、マグロ、カツオ、豆腐などがあげられます。高ビタミン、高ミネラルの食べものとして代表的なものは豚肉、豚レバー、シジミ、アサリ、にんじん、ブロッコリー、小松菜、ひじきなどがあります。このような食べものをバランスよくとることが大切です。
●肝心かなめ 「肝腎」ともいい、非常に重要なことをさす言葉どおり、肝臓、心臓、腎臓の病気は命にかかわる。くれぐれも大切に。
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肝臓が、アルコールを分解処理する能力は、1時間で、体重1kgあたり100mgです。体重60kgの人が、日本酒を約3合飲んだとき、肝臓は24時間かけてそのアルコールを処理します。 アルコールを処理する過程で、脂肪の合成が進み、いっぽうで、脂肪を血液中に放出もしますが、多量の飲酒をつづけると、脂肪が放出量を上回り、肝臓に蓄積されてしまいます。 1日に3〜4合の日本酒を飲みつづけた場合、5年で脂肪肝、10年以上では肝硬変になるといわれます。健康を保つ飲酒の適量は、図のとおりです。さらに、週に1〜2日は禁酒して、休肝日としましょう。
肝臓が、脂肪を血液中に追い出すときに、たんぱく質がそのはたらきを促進します。酒を飲むときには、たんぱく質を同時にとることを心がけましょう。脂肪の少ないたんぱく質食品の、刺身や焼魚、赤身肉や鶏肉、枝豆や冷奴、湯豆腐などをつまみにしましょう。
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欧米人にくらべて、なぜ日本人は酒に弱い?
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肝臓には500種類以上の酵素があり、それぞれに仕事をしています。アルコールの分解にも、酵素がかかわっており、アルコールはアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸に、酢酸から炭酸ガスと水へと、順番に分解されていきます。 これらの段階によって、はたらく酵素は異なり、日本人の場合、アセトアルデヒドからあとの分解を進めるための酵素の力が弱いことが明らかになっています。そのため、同じ量のアルコールを飲んだとき、欧米人より早く酔ってしまうのです。
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●二日酔いに迎え酒は効く? 深酒をした翌日の頭痛や吐きけは迎え酒で症状がやわらぐ気がしても、肝臓には害ばかり。酒より水を。
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