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しいたけに含まれるエリタデニンという成分に、コレステロールをおさえる作用があります。生よりも、干ししいたけのほうが薬効がすぐれています。食べる前に日光にあてるだけでも、効果があがります。 動脈硬化症には、干ししいたけを煎じたり、火であぶってから粉末にしたものにお湯をさして飲む方法が効果的です。
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イワシに含まれる脂肪は、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)とよばれ、リノール酸と同じ不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)の仲間で、コレステロールや中性脂肪を少なくします。
不飽和脂肪酸は酸化しやすいので、同時に抗酸化作用のあるビタミンEをとるようにします。ごま油をたらしたつみれ汁は理想的な調理法です。
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薬効成分は、根や茎に含まれるアスパラギンです。これが体内に入ると、末梢(まっしょう)の血管を広げたり、心臓の機能を補うアスパラギン酸に変化するため、高血圧症や動脈硬化症が予防できます。 ふだんの食事にとり入れたり、ほかの野菜やくだものとあわせて、野菜ジュースを作って飲んでもよいでしょう。 薬効成分の出た煮汁でもよく、生のグリーンアスパラガスをよく煮て、その汁を飲むと、動脈硬化症を防ぎます。
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こんにゃくに含まれるグルコマンナンは、水に溶ける食物繊維です。腸内に長くとどまり、腸内のコレステロールの吸収を阻害する作用があるため、血液中のコレステロール値を減らす効果があります。こんにゃくは、97%が水分で、残りが食物繊維とカルシウムです。したがって、食物繊維のグルコマンナンだけをとれば効率よく高い効果が得られます。これにはこんにゃく精粉が最適です。精粉は、えぐみ抜きのものを求めましょう。
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和食のお惣菜によく使われる海藻で、健康食品として、古くから食用に使われています。血液を固まりにくくする作用があり、動脈硬化症や血栓を防ぎます。血圧や、血中のコレステロール値も下げるので、成人病の予防には欠かせません。 そのうえノーエネルギーですから、肥満が気になる人にもおすすめです。 煮ものなどにして常食しましょう。ただし体を冷やすので、胃腸の弱い人は食べすぎに注意してください。
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大豆のたんぱく質には、コレステロール値を減らす作用があります。また大豆に含まれるリノール酸やレシチンといった植物油は、血管壁についたコレステロールをとり除き、血管を柔軟にしてくれます。しかもレシチンには、悪玉コレステロールを分解して排泄するとともに、善玉コレステロールをふやすはたらきもあり、二重の意味で動脈硬化症を阻止してくれます。 リノール酸は、体内に入っても酸化して過酸化物質になりやすいのが欠点ですが、大豆には酸化を防ぐビタミンEやサポニンも多く含まれており、安心して食べられます。 大豆は、生では食べられませんから煮たり焼いたりする必要があります。その点、大豆加工品の豆腐、きな粉、ゆば、油揚げ、がんもどきなどを使えば手軽でしょう。
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花の雌しべ(めしべ)にある子房に、リノール酸が含まれており、血液中のコレステロールを溶かす作用があります。 花を乾燥させたものにお湯を注いで飲みます。冷え症や婦人病にも効果的です。 種子を原料としたベニバナ油も、リノール酸が大変豊富なので、動脈硬化症が心配な人も、積極的に料理に使うことができます。
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葉に含まれるビタミンCが、毛細血管などの血管壁を強くし、動脈硬化症を防ぎます。クコ茶か煎じ汁が一般的です。 葉をお茶のようにして使う場合は、若葉のときに採ります。水洗いのあと日干しにして保存し、使うたびにいって、熱湯を注いでお茶がわりに飲みます。盛夏に葉を採って乾燥させ、1回に5〜10gを煎じて服用すると、高血圧症にも効きめがあります。 血行をよくするはたらきがある果実は、クコ酒にします。
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木に寄生するきのこの一種で、猿がすわれるような形と石のようにかたいことが特徴です。動脈硬化症のほか、腫瘍(しゅよう)が広がるのを防ぐはたらきがあることで知られています。 ブナやケヤキに寄生しますが、桑の木にできたサルノコシカケが、動脈硬化症にはよく効くといわれています。 日干しにしたものを、細かく砕き、15gを600mlの水で煎じます。半量まで煮つめたものを1日分として、3回に分けて食間に服用します。
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●理想のコレステロール値は?
高くても低くてもダメ。150〜219mgがよい。240mg以上は心筋梗塞が、150mg以下では脳卒中の心配が。
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高血圧に注意。動物性脂肪をとりすぎず、植物油をとる
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動脈の血管の内壁に、コレステロールや石灰質が沈着し、血管の弾力性が失われ、もろくなったり狭くなったりする状態を動脈硬化といいます。 動脈硬化が進むと、血液が流れにくくなり、狭心症や心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳卒中をおこす危険があります。 動脈硬化の原因のうち、最も重要なのが高血圧症、高脂血症、喫煙で、三大危険因子ともよばれます。そのほか肥満、糖尿病、運動不足、ストレス、高年齢、家族歴、攻撃的性格なども関係します。 特に高血圧症の予防が大切で、放置しておくと、狭心症と心筋梗塞の発生率が約2〜3倍、脳卒中は約4倍と高くなります。できるだけ減塩を心がけることが大切です。 高脂血症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪など)が異常に多い状態です。 コレステロール値の高い人は、動物性脂肪のとりすぎを避け、リノール酸の多い植物油を積極的にとることがすすめられます。リノール酸にはコレステロールの排泄を促す作用があるからです。 中性脂肪値の高い人は、穀類、砂糖、お菓子類、アルコールのとりすぎを避けます。つまり、摂取エネルギーが過剰にならないように気をつけ、肥満を防ぎます。 そのほかビタミンC・Eも大切です。どちらも動脈硬化を促進する過酸化脂質を防ぐはたらきがあります。食物繊維は、コレステロールの吸収をおさえるので、たっぷりとりましょう。
●血管の長さは?
毛細血管から大静脈まで、大小さまざまな血管をつなぎ合わせると、総延長は約10万km。地球を2回半回れる。
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大豆を食べるとコレステロール値が下がることは、数々の実験で証明されていますが、どのくらい食べたら効果があるかについても報告されています。 イタリアのシルトーリという学者の実験報告によると、コレステロール値を下げるために必要な大豆たんぱくは、およそ油揚げ3枚(約100g)に相当するといいます。つまり、1日に油揚げを3枚食べていれば、動脈硬化症の心配がないというわけです。 これはあくまでも、大豆中のたんぱく質の効果だけを念頭に割り出した数値です。これ以外にも、油揚げにはリノール酸やレシチンが含まれていますから、その効果も入れれば、もっと少ない量で十分よいことになります。
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グリーンランドのイヌイットを対象に健康調査をした結果、動脈硬化症や心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳梗塞などの病気が極端に少ないことがわかりました。 さらに魚やアザラシの肉を中心とした、彼らの食生活が大きく影響していることも明らかになりました。 そこで注目されたのが、魚やアザラシ肉の脂(あぶら)に含まれる、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸、いわゆる善玉コレステロールです。 EPAやDHAは、悪玉コレステロールを減らし、血液を流れやすく、固まりにくくするので、動脈硬化症や血栓症の予防に大きな効果があります。EPAには、血管を広げて血圧を下げる作用もあります。 これらの脂肪酸は、青魚に特に多く、血合(ちあい)の部分にたくさん含まれています。 ただし、魚の油は酸化が早く、変質したものを食べると逆効果です。
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