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じゃがいもには、炎症をおさえ、胃腸をじょうぶにする作用があって、胃がはる感じやむかつきに効きめがあります。生のじゃがいもをすりおろし、しぼった汁には、アトロピンという成分がわずかに含まれており、これが胃の痛みを鎮めます。
1日2回空腹時に、しぼり汁をさかずきに1杯ずつ飲みます。即効性はないので、最低でも1か月は、気長に飲みつづけましょう。すりおろした汁で作るじゃがいもカーボンは、より効果的です。芽に含まれるソラニンは有毒なので、利用するときは必ず芽をとります。
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トマトには消化を助けて炎症をおさえ、のどの渇きをいやすはたらきがあります。お酒を飲みすぎて、胃炎をおこしたときのむかつきに効果があります。胃のむかつきをおさえる場合は、生で食べるか、トマトジュースを飲みます。市販のものは、なるべく塩分無添加のものを選びます。りんごを加えると、さらに効果があるので作ってみましょう。
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だいこんは炭水化物を分解する消化酵素のジアスターゼが豊富で、消化促進や胃をじょうぶにする効果があります。 嘔吐(おうと)がある場合は、だいこんおろしを食べると胃がすっきりします。流動食としても有効で、嘔吐がおさまって半日ほどしたら、1回に1〜2さじずつ食べはじめ、慣らしていきます。すりおろした汁だけを飲んでも効果があります。 生のだいこんは体を冷やすので、胃が冷えやすい人にはむきません。
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内臓をあたため、水分の代謝をよくしたり、胃腸をじょうぶにします。 ただし、刺激が強いので、胃や十二指腸に潰瘍(かいよう)がある場合はひかえます。 急性胃炎で嘔吐(おうと)があったときは、にんにく1かけをフライパンなどでよく焼いたものに、ハチミツをかけてゆっくり食べます。
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苦みが口に残りますが、この刺激が胃の機能を活発にします。秋に白い花が咲くころ、全草を根ごと採ります。土をはらい、水洗いせずに軒下などに下げ、陰干しにします。 センブリ茶は、乾燥したもの2〜3本が1回分です。折って湯のみに入れ、熱湯を注いでふたをし、しばらく蒸らしてから飲みます。
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葉は下痢どめや止血に、葉の裏の毛はお灸に使うもぐさになります。春先の若芽は、草もちに使われます。煎じ汁にする葉は、6〜7月ごろに採って、日干しにします。 下痢どめには、乾燥した葉と、生姜(しょうきょう:しょうがの根を干した生薬。漢方薬局で買える)をあわせて煎じ、服用します。
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胃がもたれたり、食欲がないときには、アロエの葉のおろし汁をしぼって、さかずきに1杯飲みます。細かくきざんだ葉を、少量食べてもよいでしょう。下痢をしやすい人は、食べすぎないようにします。
慢性胃炎には、アロエ酒を、毎日少しずつ飲むのも効果的です。
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胃腸を強くする食べものには、しょうがやしその葉などがあります。しょうがのうす切りを口に含んでいると吐きけがおさまります。すりおろして、だいこんおろしにまぜたものは、二日酔いに効きます。ハチミツは、1回1さじを1日3回なめると効果があります。 キャベツには、胃粘膜の再生を助けるビタミンUが含まれています。効果的にとるには、しぼった汁を1日2回、食前に飲みます。 おなかが痛いときに効く煎じ薬は、サクラの樹皮、ウイキョウの種子、ゲンノショウコなどです。ウイキョウは、フェンネルともいい、ヨーロッパでは魚料理に欠かせないハーブで、葉や茎が使われます。リンドウは、急性胃炎の回復期に煎じて飲むと効果的です。消化不良や下痢を治します。 胃のむかつき、食欲不振には、いちじくが効きます。乾燥させた果実を細かくきざみ、少し焦げるまでいったものを小さじ1と、ハチミツ小さじ1を湯のみに入れ、お湯をさして飲みます。 慢性胃炎のように、いつも胃の調子がすぐれず、食欲のない人には、サンザシの果実を乾燥させたものを煎じて飲みます。生の果実を食べても効果があります。
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急性胃炎は、胃の粘膜があれたりただれたりする炎症です。胸やけ、むかつき、みぞおちのあたりの不快感、食欲不振がみられます。つづいて、吐きけや嘔吐(おうと)、みぞおちの痛みや圧迫感、下痢もあります。 原因には、食べすぎ、飲みすぎ、食中毒、香辛料などの刺激物のとりすぎ、アレルギーなどが考えられます。また、精神的なストレスが原因の場合もあります。 ひどい吐きけや吐血があったときは、すぐに医師に診てもらいます。 慢性胃炎は、いつも胃がもたれた感じで食欲がなく、食後には胸やけ、吐きけがします。喫煙や飲酒など、繰り返して刺激を受けたり、ストレスなどが原因で、消化機能が低下した状態です。 急性、慢性ともに、規則正しい日常生活を送り、暴飲暴食を避けて、睡眠と休息を十分にとります。ストレスをためないことも大切です。症状が重いときは、おなかをあたためて安静にします。完全に治るまでは禁酒が必要です。
●胃けいれんとは?
実際には、胃がけいれんするわけではない。多くは胆石症が原因で石が動くときの激しい腹痛をいう。
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塩辛いもの、油っこいものや、胃腸を冷やすものはダメ
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体調が完全にもどるまでは、アルコール類は厳禁です。 塩、しょうゆ、砂糖などで濃く味つけされた料理、カレーのように香辛料がきいているもの、薬味としてのわさびやとうがらしもひかえます。酸みや甘みが強い食べもの、飲みものも要注意です。 食物繊維の多い野菜(タケノコ、ごぼう、れんこん、ふき)やこんにゃく、きのこ類、海藻類は消化がわるいので要注意です。 また、脂肪の多い肉や種実類、あずき、大豆、そば、栗、パイナップル、干したくだもの(干し柿、レーズンなど)も食べないようにします。素材にかかわらず、かたいものも避けましょう。 調理法では、天ぷら、フライなどの揚げもののように、油をたくさん使ったものはいけません。 消化がよくても、熱すぎたり、冷たすぎては効果もうすれます。お粥などは、しばらく置いて冷ましたり、冷たいジュースやプリン、ババロアは、口の中で少しあたためてから飲みこみます。 し好品では、コーヒー、紅茶、炭酸飲料は禁止します。
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急な胃の痛みは、みぞおちをあたためることによって痛みをやわらげることができます。タオルを熱めのお湯でしぼって温湿布するのもひとつの方法ですが、台所にある身近なもののなかにも温湿布に適したものがあります。
こんにゃくをお湯であたためたものを使うと、冷めにくく効果的です。こんにゃくがないときは、しょうがの煎じ汁でも代用できます。
しょうがの湿布の作り方は図のとおりです。ただし、この温湿布は痛みの原因が胃痛とはっきりわかっているときに行なうようにします。
かぶれやすい人は、肌に異常があらわれたら、すぐにやめます。
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症状が激しいときは絶食し、重湯、お粥の順で食べはじめる
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症状の程度にあわせ、まず絶食します。その後は回復の様子を見ながら、重湯(おもゆ)からお粥へと、次にあげる順序で、徐々にふつう食へもどしていきます。
1. 絶食。嘔吐(おうと)があるときは、番茶やお湯だけを飲み、絶食します。水分の補給は十分に。
2. 重湯、あたためた牛乳などの流動食。うすいみそ汁、ポタージュ、酸みの少ない果汁、ババロアやプリンも食べられます。1回の量は少なめに。
3. 三分粥や半熟卵、卵豆腐、ヨーグルトなど。マッシュポテト、りんごの裏ごしもよいでしょう。
4. 五分粥、オートミール、うどん、やわらかいパン、ホットケーキ、湯豆腐、じゃがいもやほうれん草などの野菜のクリーム煮など。
5. 全粥、白身魚や鶏肉の蒸しもの、卵焼き、野菜の煮こみなど。
6. ふつう食。消化のよいものを選び、量は、腹五分めくらいにしておきます。
どの食事も、少量ずつをよくかんで、ゆっくり食べること。食事の時間を規則正しくして、胃に負担をかけないようにすることが大切です。 味つけはうすめにし、極端に熱いものや冷たいものも避けます。
●腹のやわらかいは無病
内臓の病気では、痛みとともにはれやしこりも代表的な症状。だから、やわらかいおなかは健康のしるし。
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