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薬味としてなじみの深いねぎは、その辛みに発汗作用があり、香りのもととなる成分の硫化アリルにも発汗の作用があります。栄養的には、緑の部分がすぐれていますが、薬用として使われるのは白い部分です。 ねぎがよく効くのは、熱があり、寒けがして、汗が出ない場合で、かぜのひきはじめなどによくみられる症状です。熱があっても、すでに汗をかいているときや、寝汗をかきやすい人、口が渇くときにはむきません。 ねぎスープにして飲むと効果的です。
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血液をきれいにして血行をよくする作用があり、ビタミンB群などの栄養価にも富んでいます。
熱が出たときには、玄米スープがよいでしょう。高熱で食欲がないときはうわずみのスープだけにしますが、玄米ごと食べれば、栄養がさらにアップします。かぜの初期には、しょうが少々をきざんで入れると体があたたまり、さらに効果的です。
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新鮮なれんこんのしぼり汁がおすすめです。これは止血とせきどめの効果で有名ですが、熱が出て、のどが渇くときにもよく効きます。よく洗って皮ごとすりおろし、ガーゼでこして作ります。れんこんだけではなく、なしのしぼり汁を加えると一層効果が上がります。同量の汁をコップに半分ぐらいずつまぜて飲みます。 れんこん粥にしてもよいでしょう。すりおろしたものを、米といっしょにやわらかく煮ます。
ごぼうの種子には解熱作用があり、漢方薬としても牛蒡子(ごぼうし)、大力子(だいりきし)とよばれ、古くから用いられています。ごぼうの種子の煎じ汁は、炎症を鎮めるはたらきにすぐれ、特にのどの痛みをとるので、扁桃炎(へんとうえん)、咽頭炎によく効きます。
牛蒡子は漢方薬局で求めます。10gを煎じてうがいをするようにして服用すると、のどのはれと痛みがひき、熱が下がります。このとき、キキョウ、カンゾウをそれぞれ3gずつ加えると、さらに効果的です。 |
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刺身のつまに添えられるハマボウフウは、消化を促す効果がありますが、根の部分には解熱、鎮痛作用があります。 浜の砂地に野生するハマボウフウの根を採取し、陰干しにします。 熱を下げるには、この煎じ汁を服用します。陰干しにした根をきざみ、5〜8gを水で煮つめ、半量にしたものを熱いうちに飲むと、汗が出て熱が下がります。冷めてからでは効果がありません。寝る直前の服用が、より効果的です。
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古くから染料としても使われていた草で、湿った日陰などによくみられます。全草に薬効があり、夏に青い花が咲くころに採って水洗いし、陰干しにして用います。 煎じ汁や生食のいずれも熱を下げる効果があります。乾燥したツユクサ15gを600mlの水で煎じて半量にしたものを飲むか、30〜50gをすりつぶして食べます。 解熱作用のほか、気管支ぜんそく、扁桃炎(へんとうえん)、はれものなどを鎮めるはたらきがあります。
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にんにく粥も効果的です。発熱のために口が渇くときは、だいこんおろしを添えて食べるとよいでしょう。 梅肉エキスも有効です。青うめをすりおろして汁をしぼり、煮つめたものです。解熱には少量の梅肉エキスに熱湯を注いで飲みます。 カミツレ茶は、ヨーロッパで古くから親しまれているハーブティーの一種です。体をあたためる効果があり、寒けとふるえを伴う発熱に効果的です。開花期の花を採り、乾燥させたものを茶こしに入れ、熱湯を注ぎます。1回量はカミツレの乾燥花5〜7gぐらいが目安です。 タンポポは、開花前の全草を採り、洗って乾燥させたものを煎じて飲みます。 ハッカは、生のままでも効果がありますが、解熱には乾燥させたもののほうが効きます。6〜8月ごろに茎葉を採り、陰干しにして乾燥させます。茎葉10gを400mlの水で半量に煎じて、1日2回に分けて飲みます。また、生の葉をよくもんでこめかみにはりつけると、頭痛を伴う発熱によく効きます。
かぜの発熱には、かぜの項も参照。
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発熱は体温調節のバランスがくずれたときにおこります。いちばん多いのが、細菌やウイルスなどによって熱が出るケースで、かぜやインフルエンザ、扁桃炎(へんとうえん)、腎盂腎炎(じんうじんえん)などの感染症のときです。 医師は、高熱か微熱か、一日の熱の変動はどうか、ほかに寒けや頭痛があるか……などを総合的に診て、単なるかぜか、ほかの病気が隠れていないかを診断します。 家庭での手当は、まず安静にすることが大切です。発熱時は体力の消耗が激しいからです。そして、体をあたためて発汗させると熱が下がります。このとき、水分が失われますから、水分を補給すると同時に、消耗した分の栄養も補います。体をあたため、しかも消化のよい栄養価の高い食品がよいでしょう。 解熱剤は、中枢神経(ちゅうすうしんけい)を刺激して強引に発汗させるものです。原則的に原因がわかってから医師の指示で服用します。状態が悪化したり、なかなか熱が下がらない場合は、早めに受診しましょう。
●子供の熱は大人より高い
大人の平熱は36〜37度。子供はやや高いのがふつうなので、発熱の判断は慎重に。
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熱が出たらここを注意して!
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●頭寒足熱
頭は冷やし、足はあたためたほうが気分がよい。逆に、手足を急に冷やすと血圧が上がるので要注意。
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