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にらはにんにくとならぶ2大強精食品として知られています。胃腸をはじめ体全体の調子を整えるはたらきがあります。また、血液の循環をよくして古い血を排泄する作用があるため、腰痛にすぐれた効果を発揮します。 にら酒を常用すれば慢性の腰痛に高い効果を示します。にらの強い香りは日本酒でやわらぎ、飲むと体があたたまって腰の痛みがとれます。 ただし、胃腸の弱い人やアレルギー体質の人は、にらを多食すると下痢をすることもあるので要注意です。
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スーパーなどで見かけるなた豆は、腰痛の妙薬として有名です。特に妊婦の腰の痛みには最適です。なた豆の殻60gに卵1個を入れて煎じるようにスープを作ります。これを飲むとよく効きます。 妊婦以外の人の腰痛の場合は、なた豆の粉末に炊いたもち米をまぜて食べると、よく効きます。
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黒豆は、腎臓の弱い人やむくみやすい人、リウマチ性の疾患や寝汗をかきやすく疲れやすい人に大変効果的な食べものです。特に腎臓が衰弱すると腰に負担がかかり、腰痛を悪化させてしまいます。足腰の弱ったお年寄りや、体力のない人の腰痛にもむきます。 やわらかく煮た黒豆を常食してもよく、また黒豆の煎じ汁を飲むのもよいでしょう。 外用としては、黒豆を煎じ、その煎じ汁をガーゼに浸して腰にあてると腰痛に効果があります。
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女性の腰痛にはマタタビの果実の煎じ汁
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マタタビの果実(生薬名は木天蓼<もくてんりょう>)にマタタビアブラムシが入ってこぶ状にふくらんだ異常果(虫こぶという)を使います。この煎じ汁を飲むと特に女性の腰痛に有効です。さらにマタタビの葉やつるを日干しにしたもの2〜3握りを入浴剤として利用してもよく効きます。
そのほかマタタビの果実で作る マタタビ酒は、血行をよくするので腰痛に効きます。また果実を生食したり、熟れすぎていないものを塩漬けや焼酎漬けにして食べるのもよいでしょう。
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ビワは果実、葉、種子ともに薬用になり、昔から民間薬としていろいろ利用されてきました。腰痛には葉を使います。
特に一年中採れるビワの葉で作った温湿布剤がよいでしょう。ビワの葉の裏の細毛を取り除いた葉を利用して作ります。これは腰痛のほか、打撲やねんざにも効果があります。そのほか、生、または乾燥した葉を煎じたものは、暑気払い、せきどめ、健胃、むくみ、あせもやかぶれたときに効果があります。
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ハスは大変生命力が強い多年草で、花、果実、葉、根すべてに薬効価値があります。荷花(にか)とよばれる花の部分は吐血、湿疹に、蓮子(れんし)とよばれる果実の部分は滋養、強壮と精神安定に効果的です。なかでも荷葉(かよう)とよばれるハスの葉を乾燥させたものは、肥満や暑気あたりの改善、健胃薬として広く利用されています。腰痛に用いられるのもこの葉の部分です。荷葉10〜15gを400mlの水で半量になるまで煎じます。これを1日3回食前に服用すると、妊婦の腰痛にすぐれた効果を示します。
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日本各地にみられるアマドコロは、10〜11月に採取した根茎を薬用として用います。腰痛をはじめ、ねんざ、うちみには、生の根茎30gを600mlの水で半量になるまで煎じ、その煎じ汁を布に浸して温湿布をします。それによって血行を促し、慢性の腰痛をやわらげます。 激痛時には、生のままのアマドコロの地下茎をすりおろして、小麦粉、酢をよくまぜあわせてねり、ガーゼに塗って冷湿布にするとよいでしょう。
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サイカチは、山野や川岸に自生するマメ科の落葉高木です。夏に花穂が出て、ねじれて垂れ下がった緑色をした四弁の花をつけます。これが豆果になり、この豆ざやが薬用として用いられます。腰痛には、10月ごろに採取したサイカチの豆ざやを乾燥させたもの10g(1日量)を540mlの水で煎じたものを服用するとよいでしょう。ちなみに、サイカチの豆ざやの煎じ汁は、せっけんの代用品としても利用され、なかでもシャンプーにはもってこいとされています。
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腰をあたためると楽になる。予防は、正しい姿勢と太りすぎないこと
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2本足で体を支えている人間の腰には、かなりの負担がかかっています。痛みの原因は、骨や関節の異常からくるものがほとんどです。最も一般的なのはギックリ腰と腰痛症です。
ギックリ腰は不自然な姿勢や急に腰に力を入れた瞬間にギックリと腰にきて動けなくなるほどの激しい痛みを伴います。原因は腹膜の断裂、椎間関節(ついかんかんせつ)のねんざなどです。
これに対して腰痛症は、長い時間同じ姿勢で仕事をしていたり、運動不足、肥満の人に多くみられ、検査を受けても異常がなく、重苦しい痛みがつづくのが特徴です。
このほか、比較的若い世代の人に多い椎間板ヘルニアや、中年以降に多い変形性脊椎症(せきついしょう)などもあります。またしばしば病気が要因になっていることもあるので、痛みが持続する場合には整形外科の診断を受けましょう。
ふだんから腰痛がおこりやすい人は、腰を冷やさない、重いものをもち上げない、正しい姿勢をとる、腹筋や背筋の運動をする、太りすぎないなどの注意が必要です。
激痛のときは安静にし、かためのふとんに背中をまるめ、横むきに寝ると楽です。
鈍痛のときは、入浴をして筋肉のけいれんをほぐすと痛みがひきます。
●腰痛にはせんべいぶとんが理想
やわらかすぎる寝具は、体が沈んでしまい、自然な姿勢をくずすため腰痛の原因に。
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体内のカルシウムの99%は骨や歯に含まれます。残りの1%が血液中にあり、これが筋肉の収縮、神経の刺激伝導などの役目をします。この血液中のカルシウムが不足すると、骨が溶けて補充されます。このような状態がつづくと、骨はポロポロと穴があいてもろくなり、骨折しやすくなる骨粗しょう症をひきおこします。 骨は大事な体を支えているわけですから、骨のあちこちに穴があいてもろくなると、腰痛や骨折の原因になります。 腰痛の原因はカルシウム不足、運動不足による骨の老化、筋肉の老化です。 特に中高年は、カルシウムの吸収率が低下しているために、よけいにカルシウム不足になりがちです。カルシウムをたっぷりとるとともに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやたんぱく質などもあわせてとると効果的です。 現在開発されているのが、牛骨の骨粉(こっぷん)です。これは牛の骨の骨髄を利用したもので、“骨には骨を”というわけです。実際に骨粗しょう症で腰痛を訴える患者に、鎮痛剤ではなく骨粉をあたえてみると、症状が軽くなる人が多いということです。
●鎮痛剤アスピリンのルーツは?
もともとは北米のインディアンが鎮痛剤として用いていたヤナギの木の皮から成分が発見された。
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うめぼし2個と干し柿1個を540mlの水で半量になるまでじっくり煮つめ、1日2〜3回に分けて服用しても効果的です。 ヨモギには体をあたためる作用があるため、腰痛はもちろんのこと、肩こりや関節の痛み、神経痛、リウマチ、冷え症などに効果的です。夏の終わりに採取したヨモギの葉を陰干しにして、よく乾燥させた全草20〜30gを布の袋に入れて薬湯にします。
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