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うめぼしの果肉をこめかみに
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うめは「三毒を断ち、その日の難を逃れる」といわれるほど薬効が多く、中国では烏梅(うばい)、酸梅膏(さんめいこう)などの漢方薬になっています。そのほか強い抗菌作用、整腸作用、下痢、食欲不振、食中毒などさまざまな効用があります。頭痛のときには、うめぼしをこめかみにはるとよいでしょう。
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慢性の頭痛にうどの煎じ汁
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うどは薬効が期待できる自生種を使います。秋、なるべく古いうどの根を掘り出してよく水洗いし、皮をむいて水に浸してから乾燥させ、これを煎じ汁にすると痛みどめや発汗、解熱効果を発揮します。常飲すれば慢性の頭痛やめまい、肩こり、神経痛、リウマチなどに効果的です。
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偏頭痛に効くだいこんおろし
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だいこんには冷やす作用があるので、頭痛のときには外用薬として手軽に利用できます。特に偏頭痛にはすぐれた効果を示します。ガーゼにだいこんおろしを浸して、直接頭を冷やしたり、だいこんをしぼった汁を数滴鼻孔から注ぐのもよいでしょう。左右どちらかの頭が痛む場合には、痛むほうの鼻孔に注ぐとより効果的です。 外用以外でも、だいこんおろしにハチミツや水あめをたらしたものを飲むと、頭痛をはじめ、ぜんそく、せきを伴うかぜにも有効です。
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しょうがを乾燥させたものは、漢方では乾姜(かんきょう)とよばれ、体をあたためて発汗させ、解熱作用にすぐれています。体の冷えからくる頭痛や下痢、下半身の痛み、また、かぜのひきはじめの悪寒、頭痛、くしゃみなどにもってこいです。特に冷えからくる頭痛には、しょうがのスープがおすすめです。かつお節やコンブでだしをとるとさらにおいしくなります。子供にはハチミツをたらしてあげると飲みやすくなります。このスープは葛根湯(かっこんとう)などのかぜ薬を服用したあとに飲むと、より一層効果が得られます。
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ねぎの白い部分は、漢方では葱白(そうはく)とよばれ、かぜのひきはじめや、それに伴う頭痛によく効きます。ねぎの白い部分20gとにんにく10gを細かくきざんで、600mlの水で半量になるまで煎じます。この煎じ汁を飲むと、かぜの頭痛にとても効果的です。ねぎの発汗作用でどんどん汗が出ますから、そのたびにタオルで体をよくふき、下着を取り替えるとよいでしょう。
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発熱を伴う頭痛にはハッカ湯がいちばん
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陰干しにしたハッカの葉を細かくきざんで、茶さじ山盛り2〜3杯を茶こしに入れます。これに熱湯を注ぎます。ハッカ湯は香りものどごしもさわやかで、熱いうちに飲むと汗が出て熱が下がり、かぜやそれに伴う頭痛を治します。
ハッカの葉とハマスゲを乾燥させたもの、それぞれ5gを煎じたものを1日1回服用するのもよいでしょう。
●発熱を伴う頭痛にはミミズの煎じ汁
乾燥ミミズ5〜15gを200mlの水で煎じて飲むと効果的。
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菊は頭痛、めまい、耳鳴りなどといった、おもに頭部におこる不快な症状に有効です。血行をよくし、視力を回復させる漢方薬としても知られています。頭痛には、菊の花びらで作った菊花茶が有効です。また慢性の頭痛には、生の菊なら20g、乾燥させた菊なら6gとクコの実をまぜ、300mlの紹興酒(しょうこうしゅ)の中に入れて20分ほど蒸したものを飲むと、とても効果的です。
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ヨモギは昔ながらの頭痛の特効薬
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ヨモギは、端午の節句にしょうぶとともに入浴剤に用いたり、お灸用のモグサの原料になったりと、多くの効能をもつ薬草です。冷え症からくる頭痛には、干したヨモギひとつかみを540mlの水で半量になるまで煎じます。これを1日量としてお茶がわりに飲むと、とても効果的です。煎じ汁はこのほかにもウルシかぶれや湿疹の湿布剤にしたり、入浴剤(生薬800gをよくもんで布袋につめ、水のうちから沸かす)に使うと、肩こり、リウマチ、腰痛にも有効です。
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オニノヤガラは葉がなく棒状の茎だけがまっすぐに伸びた多年草です。じゃがいものように湾曲した根茎は漢方では天麻(てんま)といい、強壮剤、鎮静剤として用いられ、頭痛やめまいにすぐれた効果を発揮します。6月ごろに根茎を掘り、よく水洗いしてからうすく輪切りにして陰干しにしておきます。よく乾燥した根茎3〜5gを1日量とし、200mlの水を加えて半量になるまで煎じます。これを3回に分け、食前や食後に服用すると、頭痛やめまいが治ります。
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カギカズラは、葉脇に下むきに曲がったかぎのようなものがあることからこの名がつけられたといわれています。このかぎは小枝の変形したものです。薬用として用いられるのはこのかぎの部分で、漢方では釣藤鈎(ちょうとうこう)とか鈎藤(こうとう)とよばれ、鎮痛作用にすぐれています。頭痛やめまいには、カギカズラの煎じ汁が効果的です。かぎの部分を中心にして、茎を上下に6cmほど切りとります。これを日干しにしたものを細かくきざみ、水で煎じて飲みます。
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頭痛はよくおこる症状。しかし急におこる激痛はすぐ診察を
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一口に頭痛といっても痛み方や原因はさまざまで、一説によると150以上もあるといわれています。 最も一般的なものは、かぜなどの発熱に伴っておこる頭痛です。これは熱が下がれば自然におさまります。このほか、過度の飲酒、喫煙、睡眠不足、天候不順、炎天下に長時間いることなどでもおこります。 頭痛の原因の80%は、これら日常的によくおこることなので、さほど心配はいりません。 ただし、突然激しい痛みがあらわれる頭痛は、くも膜下出血や、脳出血、急性髄膜炎(きゅうせいずいまくえん)などの前兆になる場合もあります。このときの症状はいずれも激しい痛み、吐きけなどを伴うのが特徴です。 このような場合には、早急に脳神経外科へ行って適切な治療を受けましょう。
●頭痛の4大症状
頭痛を症状別にみると次の4つに大別されます。
1.血管性の頭痛――これは高血圧症や自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)などが原因となっています。この場合は、後頭部や頭の片側がズキズキと割れるように痛み、嘔吐(おうと)、吐きけを伴うのが特徴です。
2.かぜや扁桃炎(へんとうえん)、中耳炎などが原因となっておこる頭痛――これは、原因になっている病気がおさまれば頭痛も治ります。
3.心因性の頭痛――不安や悩み、心身の疲労やストレスがひきがねになって、筋肉内の血液が圧迫され、頭痛というかたちであらわれます。症状は、締めつけられるような圧迫感や、どんよりとした頭重感があります。
4.その他の頭痛――むちうちや打撲、損傷による頭痛のほか、更年期障害や月経痛によるものもあります。
●ストレスをためない生活を
日ごろから、疲れたり精神的な緊張があると頭痛をおこすような頭痛持ちの人は、アルコールやたばこをひかえ、趣味やスポーツなどで気分転換をはかり、ストレスをためないようにします。
勝手に市販の頭痛薬を常用している人は、一度医師に相談し、自分の症状にあったもので習慣性のない薬を処方してもらうとよいでしょう。
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●塩番茶で頭痛を治す
番茶に塩を少量加え、十分に冷ましたものをスポイトにつめて鼻を洗浄すると、鼻炎や蓄膿症(ちくのうしょう)による頭痛に効く。
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うめぼしを焼き網で焼くか、アルミホイルに包んで黒焼きを作ります。熱湯を注いでよくかきまぜてから飲むと、熱を下げ、頭痛を治します。 ほうれん草をゆがき、ごま油で炒めたものを毎日食べると、頭痛はもちろん、めまい、高血圧症、便秘に効きます。 濃いめに入れた番茶をあたたかいうちに飲むか、お茶を常飲すると頭痛が治ります。 ぎんなんをいって粉末にし、1日3〜4gを煎じたものを服用すると、めまいを伴う頭痛に効果を示します。 シシウドの根を乾燥させたもの20gを500mlの水で半量になるまで煎じます。この煎じ汁を3回に分けて服用すると、頭痛の妙薬になります。 開花期に採ったオトギリソウの茎を乾燥させ、1回5gほどを煎じて飲むと、頭痛をはじめ、月経痛やむくみにも効果的です。 ベニバナ2gに約180mlの熱湯を入れ、冷ましてからうわずみを飲むと頭痛に効果的です。 そのほか、センキュウの根の乾燥したもの2gを煎じて飲むのもよいでしょう。
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