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あずきの最も大きな薬効は利尿効果です。心臓病、腎臓病、かっけなどむくみを伴う症状にはうってつけといえます。また皮下脂肪の沈着を防ぐビタミンB1を豊富に含んでいるため、ダイエット効果にもすぐれています。あずきのゆで汁を常飲すると利尿効果と解毒効果で、水太りや脂肪の沈着を防ぎ、肥満解消に役立ちます。
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中国料理は、油っこいうえに高エネルギー。それにもかかわらず中国で肥満の人が少ないのは、中国茶の効用が一役買っているからのようです。 中国茶にはすぐれた消化作用と、肉類や油に含まれる脂質を分解し、便通を促進するはたらきがあり、さらにタンニンは体内の毒素を排出します。 数ある中国茶のなかで、特に肥満防止効果の高いのはプーアール茶です。効果のわりに穏やかに作用するので、毎日たっぷりと飲みたいものです。このほかミネラル、ビタミンがバランスよく含まれる鉄観音茶も、脂肪分解作用や利尿作用にすぐれているので、肥満防止にうってつけです。また、これらには口臭を予防したり、神経を鎮めるはたらきもあります。
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こんにゃくは97%が水分で、残りは食物繊維です。これは腸を刺激して便通をよくし、コレステロールを吸収するはたらきをもちます。ノーエネルギー食品ですから、肥満で悩む人は上手にふだんの食事にとり入れましょう。特にこんにゃくのくるみあえがぴったりです。くるみに含まれるリノール酸は皮下脂肪の代謝を高めるはたらきがあるので、スタミナを落とさず肥満防止ができます。
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中国の古書に「身体がやせて、軽く健やかになりたいものはとうがんを長期にわたって食べるとよい。もし太る必要のある人はこれを食してはいけない」とあるとおり、とうがんは肥満対策に理想的な食品です。尿、便ともにスムーズに排出するはたらきがあるので、水太りや便秘を伴う肥満の人には常食がおすすめです。ただし、トイレが近い人や、下痢をしやすい人は多食をひかえましょう。
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自己流のダイエットは危険。健康を維持しながら減量しよう
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食事で摂取された糖質、たんぱく質、脂質は、体内で消化吸収されてエネルギーにかわりますが、消費されない余分なエネルギーは、体脂肪として貯蔵されます。これが過剰となって肥満につながります。 肥満がこわいのは、成人病の発病率が高いことです。 太りすぎていれば、それだけ心臓に負担がかかります。心臓に脂肪が沈着すればなおのことです。血管に沈着すれば、動脈硬化が進み、これが高血圧症や心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳卒中をまねきます。 また脂肪が肝臓にたまると、脂肪肝がおこります。さらに太ればインスリンの必要度が高くなって糖尿病になりやすくなります。いずれも死亡率の高い成人病ですから要注意です。
肥満の対策としては食事療法がいちばんとされています。減量のポイントはまず摂取エネルギーをおさえることです。1日の摂取エネルギーを、男性なら1400〜1800kcal、女性なら1200〜1600kcalを目安にします。
ただし、やせたい一心で断食したり、自己流のダイエットを試みることは危険です。必要最小限度のエネルギーはとらなければなりません。 食べすぎない、太りにくい食べ方を工夫し、さらに適度な運動をつづければ健康的に減量できます。
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●「間食は体の毒」はホント?
空腹の時間が長いと脂肪蓄積能力が高まる。1日の摂取量を決めて4〜5回に分けて食べるのも一手。
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利尿効果にすぐれたハトムギは、煎じて服用すると、水分の代謝がわるい水太りタイプの人に効果的です。 クマザサエキスは利尿効果があるうえ、新陳代謝を活発にします。1日3回を目安にエキスをうすめて飲むと肥満防止になります。 そのほかカキドオシの煎じ汁、ドクダミの煎じ汁も効果的です。
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皿数を多くするのもダイエット成功の鍵
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いままで過食に慣れていたのが、急に減食するとどうしても欲求不満が残ります。
こんなときには、低エネルギー、またはノーエネルギーの一品料理を追加すると、食卓がにぎやかになり、目からも満足感が得られます。ここにあげた一品がその例です。たくさんのおかずを食べても、太る心配がなく満足できる……これならダイエットも成功するはずです。
減食の効果は、スタートから1か月後に確実にあらわれます。気長に、あきらめずに減量しましょう。
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お相撲さんは2食で太る
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力士は朝食ぬきの2食が習慣になっています。“3食食べたら太れない”といわれ、朝げいこでたっぷり汗を流したら、あとは太ることに専念します。それが、ちゃんことどんぶりめしで、これを2食食べて体重をふやします。
プラハの人間栄養研究所では、食事回数と肥満の関係を調査実験して、次のデータを得ました。
食事回数 体重超過が20%以上の発現率(%)
3回以下 ………………………57.2%
3〜4回 ………………………42.2%
3〜4回+食間に軽食 ……32.8%
3〜4回+就寝前に軽食 ……36.0%
5回以上 ………………………28.8%
食事の回数が少ない人ほど肥満者がふえています。 つまり、食べる回数を減らせば太らない、というのはまちがいなのです。
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●食事回数と時間が大切
●食事はぬくほど太る
肥満は食べすぎが原因、だから回数を減らそうというのはまちがいです。3回から2回に減らすと代謝が異常になり、かえって体内の脂肪の蓄積能力が高まります。さらに空腹感が強まり、大食しがちです。
●まとめ食いは太る
同じエネルギー量でも、それを3回に分けて食べた場合と、5〜7回に分けて食べた場合とでは、3回のほうが太る傾向にあることがわかっています。
できるだけ回数を多く、少しずつ食べるのがコツです。
●寝る前の食事は肥満の大敵
食後から2時間のあいだに体を動かすとエネルギーが消費されますが、安静にしていると体内に蓄積されます。したがって夜寝る前にとった食べものは肥満のもとです。
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●こうすれば食べすぎを防ぐ
●いろいろな種類のものを食べる
栄養のバランスがとれていると、エネルギーが効率よく利用できます。偏食する人ほど空腹感を覚えやすいのです。厚生省は1日30品目以上の食品を食べるようすすめています。たとえこれが困難だとしても、同じ食品ばかりを食べつづけることは好ましくありません。
●早食いは禁物
満腹感を覚えるのは、胃袋ではなく、脳にある満腹中枢です。これがストップをかけるのは、食べたものが吸収されてから。食べるスピードが早すぎると、満腹のサインが出るまでに、かなりの量を食べてしまうことになります。
ひと口食べたら、はしを置くようにすれば早食いが避けられます。
●よくかんで腹八分めを守る
十分にかんで食べると、消化吸収がよくなり、満腹中枢が刺激されます。つまり、かめばかむほど満腹感が得られ、無理なく減食できるというわけです。
●ながら食いはしない
テレビを見たり、新聞を読みながら食べていると、食べたという満足感がありません。そこでついつい、デザートや間食に手が出てしまいます。目で見て楽しみ、舌で十分味わいながら食べることも肥満防止のひとつです。
●汁もの、野菜類を先に食べる
水分の多い汁ものや、かさの多い野菜料理を先に食べておなかをふくらませておくのもポイントです。エネルギーの高いものはあと回しにします。
●味つけはうすく
塩分が多かったり味つけが濃いと、どうしても主食を食べすぎてしまいがちです。酢やレモンで酸みをきかせたり、パセリやしそ、みつばやのりなどで香りを高めるとよいでしょう。
だし汁や野菜スープ、干ししいたけ、かつお節など、天然のうま味を利用するのも一法です。
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●減量を助ける食べもの
体脂肪になりやすいものに糖質を含む食品があります。砂糖、くだもの、清涼飲料水、アルコールは要注意食品です。特にアルコールは、食欲を高めるばかりか、肝臓での脂肪合成を亢進させるので、肥満につながります。
脂肪は不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)を多く含む植物油や魚油(EPA)が減量に役立ちます。なぜなら不飽和脂肪酸は、体内の脂肪合成をおさえるはたらきがあるからです。ただし、油を大量に吸いこむ天ぷらやフライは避け、ドレッシングか炒めもの程度にとどめます。
たんぱく質は、体重1kgにつき1gは必要です。肉類なら鶏のささ身で、あるいは脂肪の少ない白身魚などの魚類から摂取するようにします。また牛乳より脱脂粉乳のほうが、たんぱく質がとりやすいようです。
食物繊維は、糖質や脂質の吸収をおさえる作用があります。野菜・きのこ・海藻類は、食物繊維のほかに、ビタミン、ミネラルが多いうえ、低エネルギー・ノーエネルギー食品ですから、安心してたっぷり食べられます。
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●ダイエットに効果的な運動
消費エネルギーの量をふやすには、運動がいちばんです。脂肪を分解させるためには、ゆっくりした筋肉の動きを伴う運動がよく、図の運動がおすすめです。
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●運動不足の人におすすめの入浴法
デスクワークが中心のサラリーマンやOL、主婦は、長時間同じ姿勢でいることが多く、狭い範囲で動いているだけなので、体全体を動かす機会があまりありません。このような人には、温熱刺激をあたえるのが効果的です。
まず43度くらいの熱めのお風呂に3〜4分つかります。いったん出てからしばらく休み、汗がひいたころにまた湯船に入ります。これを2〜3回繰り返すと、体全体に、運動したのと同じような刺激をあたえることができます。
これをつづけると心臓や呼吸器、筋肉を活性化させます。体を動かさずに頭だけを酷使するような仕事をしている人は、熱いお湯にさっと入ってから、体をまんべんなくマッサージするとよいでしょう。
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