刺激臭のあるにんにくやねぎを食べたときや、たばこを吸う人などの口がにおうのは当然のことです。しかしこうした原因もないのに口が臭いという人がいます。 口臭に悩む人は多く、その原因もさまざまですが、大体3つのパターンに分けることができます。 まず生理的口臭です。これは空腹時や起床時に感じる不快な口のにおいのことです。このにおいは、口の中の細菌の繁殖活動が活発になることによっておこります。 通常、口の中の細菌は、唾液によって浄化され、その繁殖をくいとめられています。しかし空腹時や睡眠中は唾液の分泌が少なくなってしまうため、細菌の活動が活発になり、異臭を発するのです。 次に考えられるのが、病的口臭で、いちばん多いのが歯肉炎や歯槽膿漏(しそうのうろう)、虫歯です。これは虫歯の中につまって腐った食べもののカスや歯垢(しこう)、歯肉から出る血や膿(うみ)などに細菌が多量に住みつき、においを発生させるのです。 また口以外の病気が原因している場合もあります。肺結核や慢性気管支炎といった呼吸器系の病気、慢性鼻炎や蓄膿症(ちくのうしょう)などの鼻の病気です。そのほか胃の病気、たとえば急性胃炎、慢性胃炎、胃下垂が悪化したときも、吐く息が臭くなることがあります。 最後に考えられるのが、心因性口臭です。別名、口臭神経症ともいい、実際には口臭などないのに、口臭があると思いこんでしまうケースです。口臭の悩みを訴える人はこのタイプが多く、特に几帳面で神経質な性格の女性によくみられます。 これら3つの原因のうち、病的口臭はもとの病気を治すことで口臭も治ります。生理的口臭と心因性口臭に関しては、あまり気にしないことがいちばんです。においを気にして、おしゃべりするのにも緊張したりすると、唾液の分泌が少なくなり、逆に口臭の原因になってしまいます。どうしても気になるときは、一度耳鼻科か内科の診察を受け、口臭がないことを確かめるとよいでしょう。そしてなるべく積極的に口を開いておしゃべりすることです。おしゃべりは唾液の分泌を盛んにし、酸素をとりこんで、細菌の繁殖活動を防ぎます。